2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K09299
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Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
森本 哲司 東北医科薬科大学, 医学部, 准教授 (10344657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根東 義明 日本大学, 医学部, 教授 (00221250)
石毛 美夏 日本大学, 医学部, 講師 (90420950)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 微小単離尿細管灌流法 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は、基底膜が非常に薄い細いヘンレの上行脚(Ascending Thin Limb : ATL)を用いてsiRNA導入の確立を試みた。灌流液組成を検討しながら研究を推し進めたが、一晩経過すると尿細管の見ばえが悪くなることを繰り返した。これを踏まえ、今年度はATLではなく尿細管の単離に時間を要さない太いヘンレの上行脚(Thick Ascending Limb : TAL)を用いて検討を行った。しかし、細菌の混入など種々の問題のため、TALを用いてもsiRNA導入に必要な一晩のインキュベーションに耐えうる実験条件を確立できなかった。従来の微小単離尿細管灌流実験では浴液側の温度を37度で行ってきたが、細菌や真菌などの成育にとってもこの温度は至適であり、低温で実験を行った方が細菌の増殖を抑制できるかもしれないと推察した。文献検索をさらに行った結果、集合尿細管を室温で灌流した実験が過去に報告されていたため、集合尿細管を室温で灌流し、蛍光色素(FITC)でラベルされたデキストランを用いたflux studyで水透過性を測定した。過去の報告ではナノフローという特殊な測定機器を用いて測定が行われていたが、今回我々はより簡便にマイクロプレートリーダーを使用して測定できる方法を確立した。加えて、少なくとも実験時間が3~4時間であれば、室温でも問題なく実験が可能であることがわかった。最終年度はsiRNA導入のファーストステップを乗り越えるため、灌流液温度や灌流液組成を再検討し、まだ未検討な他の尿細管分節を用いることも視野に入れて、研究を推進する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成28年度に研究代表者の森本が異動したこともあり、研究の進捗が遅れている。siRNAの導入時に、一般的に一晩程度のインキュベーションが必要だが、灌流された尿細管の見ばえ(viability)が種々工夫したにもかかわらず低下してしまった。年度後半から、細菌の混入を軽減するために灌流液の温度を室温に下げて研究を行ったが、集合尿細管を用いた3~4時間の微小単離尿細管灌流実験は十分可能であることが確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、前年度後半から導入した灌流液の温度調節や更なる灌流液の改良を行い、単離できる全ての尿細管分節を用いて研究を行う予定である。また、siRNAの導入効率が浴液側と管腔側とで異なる可能性もあるため、siRNAの添加をいずれの側からも試みる計画である。siRNAの導入に成功した際には、速やかにノックダウン効率や尿細管機能解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究の進捗状況が遅れたため、学会発表等の旅費は発生しなかった。また、研究代表者の異動に伴い、新しい研究環境を整備するために主要な実験消耗品の購入に研究費を使用したが、研究が第一段階で滞ってしまったため、siRNA導入によるノックダウン効率の確認実験などは行えず、これらに関連する試薬等を購入しなかったこともあり、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
微小単離尿細管灌流実験を継続するために、実験動物代や灌流液を作成する際に必要な試薬代に研究費を充てる必要がある。第一段階の研究に成功した際には、ノックダウン効率の確認のため、分子生物学的実験に必要な試薬やプラスチック製品などの購入も必要になると予想される。最終的に、研究成果が得られた場合は、その発表のため旅費などに使用する予定である。
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