2016 Fiscal Year Research-status Report
腎不全に伴う病的石灰化における基質小胞のプロファイリング
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15K09303
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Research Institution | Kansai University of Health Sciences |
Principal Investigator |
伊藤 俊治 関西医療大学, 保健医療学部, 准教授 (50275351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鍵弥 朋子 関西医療大学, 保健医療学部, 助教 (50717650)
畑村 育次 関西医療大学, 保健医療学部, 教授 (80336883)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 基質小胞 / 石灰化異常 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)今年度は、昨年度に引き続き、培養軟骨細胞を用いた基質小胞の回収条件の決定と生化学的解析を行った。予備的に行っていた研究では、超遠心機を用いた方法で基質小胞を単離していたが、昨年より新たに基質小胞とよく似た性質を持つとされるExosomeの精製法を改造したゲル濾過法とフィルター法を用いて、同様の結果を得るべく試みた。残念ながら、精製方法の違いにより得られる細胞外小胞にかなりの違いがあることがわかり、そのままでは超遠心法での結果を再現できなかった。そこでもう一度超遠心法に立ち戻り、再現性よく結果を得られるよう計画している。 (2)昨年度は、遺伝的腎障害マウスに高リン食を与えて石灰化異常を惹起する事を試みたが、そのままでは石灰化異常は認められなかった。本年度には、さらにこの系統のマウスの高齢群を用いて、石灰化異常・骨格異常を引き起こし、それと血中の基質小胞組成との関連について検討を行った。また同様に、数種類の骨代謝に影響する刺激をマウスに与えて、骨密度の減少を惹起し、その際に見られる血中の基質小胞の変化について検討するため実験を行った。これらのいくつかの条件では、骨密度の変化が認められたので、これらの血中の基質小胞について現在生化学的検討を行っている。これらの結果については、一部を今年度の日本分子生物学会において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は組織学的解析を担当する予定であった分担者が産休に入ったため、その分、進展はやや遅れている。また、当初の予想よりも、基質小胞を含む細胞外小胞の多様性が大きく、また精製法により実験結果が大きく変わることも明らかとなったため、実験条件の再検討をしている点も影響した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度には、培養細胞を用いた実験計画に関しては、予備実験の際に用いた超遠心法に立ち返り、再現性よく実験結果を得るべく行っていく予定である。また次年度は最終年度であるので、成果を論文発表すべく、取りまとめていく予定にしている。 動物個体を用いた実験計画に関しては、加齢が一つのポイントであることが今年度の実験で明らかになったため、現在加齢動物を作製すべく、繁殖・飼育を行っている。
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Causes of Carryover |
今年度は研究分担者の一人が産休に入ったため、一部実験計画を変更した。また、基質小胞の精製法の検討の結果、新たに試みた方法では再現性が確保できなかったため、今年度に予定していた二次元電気泳動による解析を、次年度に行うよう計画を変更した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度に行えなかった分を実施し、特に論文作成とそのリバイスの対応を行う予定にしている。
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Research Products
(1 results)