2017 Fiscal Year Annual Research Report
Adult neurogenesis in the mouse models of ALS/FTLD
Project/Area Number |
15K09310
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石垣 診祐 名古屋大学, 医学系研究科, 寄附講座助教 (40378170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 宏久 名古屋大学, 脳とこころの研究センター, 特任教授 (10378177)
祖父江 元 名古屋大学, 医学系研究科, 特任教授 (20148315)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | FUS / tau / SFPQ / adult neurogenesis / FTLD |
Outline of Annual Research Achievements |
ALS/FTLDの原因遺伝子であるFUSをAAVにshRNAを発現させることで全海馬において抑制したマウスモデルではFTLD様の情動異常を来たすが、同時にタウisoformの発現変化を介して海馬歯状回におけるadult neurogenesisを抑制した。このFUS抑制マウスに対してヒト野生型FUSを海馬特異的に発現させる実験(FUS発現回復実験)によりFUS抑制によって生じたタウisoformの発現変化(4R-tauの増加と3R-tauの低下)を回復することができた。しかし、ALS/FTLD関連変異であるR521G変異を有するヒトFUSを発現させる実験では、FUS抑制によって生じたタウisoformの発現変化は回復しなかった。同様に、ヒト野生型FUSの発現はFUSに抑制によって生じた情動異常を改善させたが、R521G変異を有するヒトFUSの発現では回復できなかった。さらにBrdU取り込みassayなどにより評価を行った結果adult neurogenesisについても、ヒト野生型FUSの発現によってFUS抑制に伴うadult neurogenesisの低下が改善することを見出した。一方でR521G変異を有するヒトFUSの発現ではFUS抑制によって生じたadult neurogenesisの低下の改善は認められなかった。さらに、FUSと核内で結合しタウisoformの発現変化を制御するSFPQについても同様の海馬特異的抑制モデルを作成し、FUS抑制マウスと近似した情動異常、adult neurogenesisの低下を認めた。FUS抑制マウスは長期観察によって、12ヶ月齢でME-MRIによって海馬における過興奮を呈することを見出した。このことはヒトの認知症に類似する所見であり、神経脱落を呈する前の神経機能の異常を反映しているものと考えた。また18ヶ月齢でリン酸化タウの蓄積と海馬の神経細胞脱落を認めた。これに対してSFPQ抑制マウスではinjection後6ヶ月の9ヶ月齢で海馬の神経細胞脱落を高度に認めた。このことはタウ以外のFUSとSFPQの下流因子が病態に影響していることを示唆すると考えられた。
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