2015 Fiscal Year Research-status Report
レジストリ構築による球脊髄性筋萎縮症の早期バイオマーカー開発
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15K09311
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
橋詰 淳 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (00637689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
祖父江 元 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (20148315)
勝野 雅央 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50402566)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 神経変性疾患 / 球脊髄性筋萎縮症 / バイオマーカー / 女性保因者 / レジストリ |
Outline of Annual Research Achievements |
神経変性疾患に対する疾患修飾療法(disease-modifying therapy)のトランスレーショナルリサーチにおいて、神経変性が十分に進んでいない発症早期、もしくはpreclinical期に治療介入を開始する必要性が広く認識されつつあり、この時期の病態を適切に反映し、薬効評価の指標となるバイオマーカーを同定することが必要とされている。その医学的必要性に対して、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)の女性保因者を対象にした患者レジストリを構築し、女性保因者の正確な臨床症状を把握するとともに、病態を反映するバイオマーカーの探索・同定を進めることを目的とした研究を以下のように立案し、既に名古屋大学医学部生命倫理委員会の承認を得た。研究の概略を以下に示す。 [対象]SBMAと遺伝子診断された患者の母親もしくは娘、及び比較対照としての健常女性。[目標症例数]保因者20例、健常女性20例。[評価項目・および評価間隔]血液検査(血液一般検査:白血球数、赤血球数、ヘモグロビン等。血液生化学検査:クレアチニン、クレアチン、アルドラーゼ、ミオグロビン、尿酸、CK、シスタチンC、テストステロン、CGRP1、IGF-1等。尿検査。DXA法を用いた全身筋量検査、呼吸機能検査、舌圧検査、各種アンケート及びSBMAFRS等の運動機能評価スケール、握力等の定量的運動機能評価。 平成28年4月13日時点で、4名の被験者から研究参加の同意を得て実際の評価を開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究に関してはおおむね順調に進展していると判断している。研究計画の段階において、特に、遺伝カウンセリング体制の構築について議論を要したが、名古屋大学医学部付属病院遺伝カウンセリング室との密な連携の下、研究を遂行する実施体制を構築し、ほぼ順調に研究を開始することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
球脊髄性筋萎縮症の女性保因者は、無症状であり、もとより病院への通院を必要としないことから、日常外来の中から被験者として組み入れることはできない。よって、これら女性保因者をどのように組み入れることができるかが、本研究の順調に推進していくための重要な要素となる。 球脊髄性筋萎縮症時患者は、全国に2,000名程度しかいない希少疾患だが、名古屋大学神経内科では、従来より、球脊髄性筋萎縮症患者を対象とした臨床研究が数多く実施されており、常に200名程度が通院している。これらの通院患者を通し、女性保因者にも本研究を広く周知・理解してもらうことが、本研究を順調に進展させていくために重要な方策となる。
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Causes of Carryover |
1月以降に使用した遺伝子検査の支払いが平成28年度になる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度より翌年度にかけて予定している遺伝子検査への支払いに充当する。
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