2015 Fiscal Year Research-status Report
軸索再生を基軸としたGPR3の機能解析と中枢神経障害に対する新規再生療法への応用
Project/Area Number |
15K09317
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田中 茂 広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 講師 (20512651)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 昌泰 広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 教授 (20192346) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | GPCR / cAMP / neuron |
Outline of Annual Research Achievements |
G蛋白質共役型受容体(GPCR)は様々な細胞内伝達物質の制御に関わるが、研究代表者はこれまで中枢神経系神経細胞に豊富に発現し、恒常的に細胞内cAMPレベルを維持する蛋白共役型受容体GPR3の機能解析主に行い、神経細胞における機能を報告してきた。本研究の目的は、脳梗塞などの中枢神経障害に対する新規軸索再生療法開発を目指して、まず神経成熟過程におけるGPR3の軸索形成・伸長機能を詳細に解析し、これらの分子基盤を脳虚血・外傷性脊髄中枢神経障害に応用することで、GPR3による軸索再生を基軸とした新規再生療法の可能性を模索することにある。研究実施初年度である平成27年度では、海馬神経細胞におけるGPR3発現が軸索形成・伸長に与える影響について主に検討した。まず、培養初代海馬神経細胞におけるGPR3mRNA発現についてreal-time PCR法で検討したところ、Div3までGPR3mRNA発現が増加し、以後発現が7日まで維持されていた。次に、GPR3遺伝子導入によりsiRNAによる内因性GPR3発現抑制による、GPR3の量的変化が神経極性形成に与える影響を、軸索突起特異的抗体(Tau-1抗体)、樹状突起特異的抗体(MAP2抗体)を用いて免疫組織染色法により解析した。GPR3遺伝子導入により導入後72-96時間後にTau1陽性軸索形成促進傾向を認めた。一方で、内因性発現GPR3をsiRNAで抑制すると、siRNA導入後72-96時間後にTau1陽性軸索減少傾向を認めた。以上の結果から、海馬神経細胞におけるGPR3発現が幼弱な神経細胞の極性化形成に関与する可能性が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の研究計画では、神経分化過程におけるGPR3の発現が、神経極性形成、軸索伸張、シナプス形成へ与える影響とメカニズムついて検討する予定であった。当初の計画通り、GPR3の神経極性に影響を与える機能解析を行ったが、GPR3の軸索伸張、シナプス形成へ与える影響とメカニズムに関しては解析途中であり、次年度に持ち越して検討を行うことになった
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、GPR3の神経極性形成に与えるメカニズムに関して探索すると共に、神経細胞におけるGPR3の軸索伸張、シナプス形成との関与に関して検討を開始する予定である。
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[Journal Article] The Toll-like receptor 4-activated neuroprotective microglia subpopulation survives via granulocyte macrophage colony-stimulating factor and JAK2/STAT5 signaling2016
Author(s)
Kamigaki, M., Hide, I., Yanase, Y., Shiraki, H., Harada, K., Tanaka, Y., Seki, T., Shirafuji, T., Tanaka, S., Hide, M., and Sakai. N.
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Journal Title
Neurochem. Int.
Volume: 93
Pages: 82-94
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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