2015 Fiscal Year Research-status Report
p62のリン酸化によるα-synucleinオートファジー分解制御の解析
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15K09320
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
渡邊 義久 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50363990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳田 隆彦 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80242692)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | p62/SQSTM1 / リン酸化 / 封入体形成 / α-synuclein / Lewy body |
Outline of Annual Research Achievements |
p62/SQSTM1 Ser-349およびSer-403のリン酸化へのHSF1の関与を検証するために、HSF1ノックアウトHeLa細胞をCRISPR/Cas9を用いて作製した。ノックアウト細胞はクローニングしウエスタンブロットで確認した。野生型HeLa細胞をプロテアソーム阻害剤MG-132で処理した場合、p62のSer-349とSer-403はリン酸化されるが、HSF1 KO細胞ではこれらのリン酸化が抑制された。さらに、このKO細胞ではMG-132処理によるユビキチン(Ub)化タンパク質の凝集体形成も抑制された。このことから、HSF1はストレス下でのp62リン酸化に関与し、p62依存的なUb化タンパク質の封入体形成を促進することで細胞を保護していることが示唆された。 α-synuclein凝集体形成によるp62のリン酸化を検証した。以前の解析から、α-synuclein凝集体形成によりSer-349のリン酸化が起きることは確認していたが、今回Ser-403のリン酸化を解析したところ、培養細胞系ではリン酸化が認められなかった。さらに、マウス線条体へ線維化α-synucleinを投与することで形成したレビー小体様封入体でも、Ser-349リン酸p62は陽性で、Ser-403リン酸化p62は陰性であった。このことから、Ub化タンパク質とα-synuclein凝集体の蓄積ではp62のリン酸化誘導過程に異なりがあることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HSF1ノックアウト細胞の作製が順調に進み、解析も問題なくできた。また、高品質なp62 Ser-403リン酸化抗体が入手でき、モデルマウスを用いた病理学的解析も順調に行えた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、オートファジーによる分解系とHSF1によるp62リン酸化の関連性を検証したい。そのために、LC3によるオートファゴソームのイメージングによるα-synuclein凝集体の分解を解析する。
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Causes of Carryover |
海外からのプラスミド購入でMTA作成に時間がかかり本年度内に購入できなかった。そして、論文の英文校正の依頼を行う予定であったが、論文の作成が本年度内にできなかったことから次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度速やかにプラスミド購入と英文校正を行う予定である。
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Research Products
(3 results)