2017 Fiscal Year Annual Research Report
The search for a biomarker for multiple system atrophy
Project/Area Number |
15K09334
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三井 純 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (70579862)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 多系統萎縮症 / コエンザイムQ10 / 酸化ストレス / 電子伝達系 / iPS細胞 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでにCOQ2変異を持つ多系統萎縮症(MSA)患者,COQ2変異を持たないMSA患者,健常対照者の血漿に対してメタボローム解析を行い,群間で統計学的に有意な分子は見いだせなかったものの,生物学的パスウェイの検討において,酸化ストレスに関連した分子では,COQ2変異を持つMSAの患者,COQ2変異を持たないMSAの患者,健常対照者の順に変化の傾向を認めた. この知見を背景に,MSA患者と健常対照者の血漿中CoQ10濃度を比較して,COQ2変異を持たないMSA患者においても有意に低下していることを報告した(Mitsui J et al. AMA Neurol. 2016 Aug 1;73(8):977-80).同様の変化は,血清,脳脊髄液,剖検小脳組織でも独立して報告されており,MSAのバイオマーカーの一つとして確立したと言える. また,COQ2変異を持つ家族性MSA患者に対して,高用量のユビキノールを投与する臨床試験を行い,脳酸素消費量が約30%改善したことを報告した(Mitsui J et al. Cerebellum. 2017 Jun;16(3):664-672). 以上より,CoQ10の相対的な欠乏がMSAの発症と関連するのではないかと考えている. それでは,CoQ10の相対的な欠乏が,どのように病態機序と関連するのだろうか.病態機序との関連を深く検討するため,COQ2変異を持つMSAの患者,COQ2変異を持たないMSAの患者,健常対照者の血球細胞からiPS細胞を樹立し,神経細胞やグリア細胞へ分化させた細胞系を確立した.この細胞モデルに対して,グルコースフリー培地におけるアポトーシスマーカーや酸化ストレスマーカーの評価,CoQ10投与時のそれらの評価を行った(論文準備中).
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Three-Year Follow-Up of High-Dose Ubiquinol Supplementation in a Case of Familial Multiple System Atrophy with Compound Heterozygous COQ2 Mutations.2017
Author(s)
Mitsui J, Koguchi K, Momose T, Takahashi M, Matsukawa T, Yasuda T, Tokushige SI, Ishiura H, Goto J, Nakazaki S, Kondo T, Ito H, Yamamoto Y, Tsuji S.
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Journal Title
Cerebellum
Volume: 16
Pages: 664-672
DOI
Peer Reviewed
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