2015 Fiscal Year Research-status Report
筋炎の病型・病理像ごとの筋組織を用いた網羅的発現プロファイルによる筋炎の病態解明
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15K09347
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
清水 潤 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (40260492)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 順 国際医療福祉大学, 大学病院, 教授 (10211252)
石浦 浩之 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40632849) [Withdrawn]
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 筋炎 / RNA発現解析 / 病態機序 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
A)生検骨格筋組織のRNA-Seqによる網羅的発現プロファイリング
本年度は、RNA-Seq解析をおこなうための特異抗体ごとの筋炎生検筋組織を確定し、評価の確定した一部において発現解析を開始し、解析データの蓄積をおこなった。すでにパイロット検討をおこなった検体に加え、以下の症例群の検討と準備をおこなった。１群）コントロール組織：筋疾患を疑い筋生検がなされたが結果的に正常と判断された筋組織6例、 ２群）皮膚筋炎筋束周辺部萎縮（PFA）組織の発現解析：①抗Jo1抗体(+)5例、②抗TIF1γ抗体(+)5例、③抗Mi2抗体(+)5例、 ３群）筋炎初期病理組織の発現解析（壊死再生がなくMHC-classⅠ抗原発現亢進のみ）：①抗MDA5抗体(+)4例、②抗Jo1抗体(+)4例、③抗TIF1γ(+)4例、④抗体U1RNP(+)4例、 ４群）壊死性筋症14例［抗SRP抗体（＋）、抗HMGCR抗体(+)、抗体陰性］、 ５群）病理学的多発筋炎：典型病理像を含む組織３例。
このうち、今年度は、（１）１群＋2群のヒートマップを用いた解析をおこなった。抗Jo1、抗TIF1γ、抗Mi2の３群は分離傾向にあり組織学的には同様のPFAの形態を示しつつ、背景病態が異なることが示唆され、パイロット検討の妥当性が確認された。現在、（２）1群＋（3～５）群のRNA-Seq解析検体の質の確認と解析開準備が終了した、すぐに解析ができる状態にある。
B）筋束周辺部萎縮（PFA）組織の生検筋を用いて、免疫染色を用いた半定量的浸潤細胞、筋線維解析、血管密度解析のパイロット検討中である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
A)生検骨格筋組織のRNA-Seqによる網羅的発現プロファイリング
現在、予定している筋炎自己抗体ごとの生検筋組織のRNA-Seq解析の1群＋2群の解析が終了し、得られたデータについて、クラスター分析、関心遺伝子、遺伝子群についてのオントロジー、パスウェイに焦点を絞った解析をおこなっている。また、1群＋（3～5）群の解析用検体の質の確認と準備が終了した。これらの検体のRNA-Seq解析を今年度はすすめる。解析症例の均一化（自己抗体の確認、組織像の確認）に予定より時間を要したが、その準備が完了しすぐに解析できる状況にある。
B) RNA-Seqと同時に遂行を予定している筋組織の定量的、半定量的な病理変化解析の準備も終了し開始した。
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| Strategy for Future Research Activity |
オントロジー、パスウェイに焦点を絞った解析を行う一方、筋炎特異抗体のターゲットとなる抗原物質の上下流の因子についても解析をし、病態機序に関係する特異的な変化となるmRNAの変化の同定をおこなう。
骨格筋の病変は均一ではない。レザーマイクロダイセクション（LMD）を用い、病理変化の異なる部位（筋線維変化、血管、間質）ないし筋線維ごとの発現プロファイルと病理変化との対応の検討も適宜加える。筋炎組織の破壊の上流にある特異的変化を確認することで、病態機序の解明とより特異的な治療方法の発見をめざす。
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| Causes of Carryover |
本年度は、主に特異抗体の出現した生検検体の臨床病理像、特異抗体の確認に時間を要した。そのため、発現解析は予定中の一部の検体のみ終了しているのみである。当初予定のRNA-Seq解析がやや遅れているが、すでに解析予定の検体の質の確認と抽出は終わっており、早期に1群＋（3～4）群のRNA-Seq解析が遂行できる状態にある。RNA-Seq解析用の検体確認と準備の遅れのために本年度の研究費は主に検体準備のための人件費と、検体の同定に関連して終了した研究の論文発表のための論文校閲に使用する形になった。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は、予定よりやや遅れている分の検体解析に研究費を用いる。ひき続き、予定し解析準備の終了している1群＋（3～4）群のRNA-Seq解析をおこない、さらに、その結果にもとづきレザーマイクロダイセクションを用いた病変部位ごとの解析をおこなう。得られた結果に対してオントロジー、パスウェイに焦点を絞った解析を行う一方、筋炎特異抗体のターゲットとなる抗原物質の上下流の因子についても解析をし、病態機序に関係する特異的な変化となるmRNAの変化の同定をおこなう。
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Research Products
(3 results)
