2017 Fiscal Year Annual Research Report
A cross-sectional study about circadian rhythm in Parkinson's disease
Project/Area Number |
15K09356
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
形岡 博史 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (30364061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 圭吾 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60364056)
刀根 庸浩 奈良県立医科大学, 医学部, 特任助手 (50630498) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / サーカディアンリズム / 客観的睡眠 / アクチグラフィ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、パーキンソン病(PD)患者(160人)を対象に睡眠や生体リズム指標を測定し、コントロール健常者(既存コホート研究参加者1000人)と比較することでパーキンソン病が生体リズムに及ぼす影響を明らかにすることであるが、ほぼ当初の計画どおり実施することができた。平成29年度は、欠損値なく測定が完了したPD患者156名(平均71.3歳)と、奈良県在住の一般高齢者を対象とする前向きコホート研究(平城京スタディ)参加者のうち、PDの治療を受けていない1108名(平均71.9歳、)において、アクチグラフィを用いて客観測定した睡眠指標に関する横断解析を行った。 一般対象者と比べて晩期PD患者(Hoehn Yahr分類3~4期)では、アクチグラフィで特定した入眠時刻が19.1分早く(P = 0.04)、覚醒時刻も43.5分早かった(P < 0.01)。一般対象者とHoehn Yahr分類 1、2、3、4期のPD患者との間の比較から、総睡眠時間が300分未満の者の割合や、睡眠効率が70%未満の者の割合、中途覚醒時間90分以上の者の割合、睡眠の断片化指数が3以上の者が、病期の進行に伴い有意に高い傾向を認めた。一方入眠潜時が15分以上に延長している者の割合は、病期の進行とともに有意に少ない関連を認めた (P for trend = 0.01)。尿中メラトニン代謝物濃度は、1期の中央値12.1 ng/mg creを基準とすると、2、3、4期の濃度は、31.4%、108.3%、59.1%高かった。150名を超えるPD患者と1000人を超える一般対象者の睡眠を客観測定して比較した先行研究はなく、近年報告されたアクチグラフィによるPD患者の睡眠測定のための適切な身体活動閾値を用いた客観的睡眠と病期の進行との関連を示した点で、新規性が高い結果といえる。
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