2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15K09366
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Research Institution | Kyushu University of Nursing and Social Welfare |
Principal Investigator |
熊本 俊秀 九州看護福祉大学, 看護福祉学部, 教授 (40134936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古堅 裕章 九州看護福祉大学, 看護福祉学部, 助教 (30636105)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | サルコペニア / 高齢者 / 寝たきり / 認知症 / 長期療養者 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者の要支援・要介護状態の成因の1つに加齢に伴う筋容量の減少症(サルコペニア)の関与が示唆される。特に長期療養高齢者は、それを背景に容易に自立度の低下、フレイルや認知症、さらには寝たきりに進展することが推測される。本研究では、長期療養を余儀なくされる病院の精神科病棟及び介護老人保健(老健)施設に入院(所)、または通院(所)中の患者を対象にサルコペニアの実態とその臨床的特徴、促進因子を検討した。 A精神病院、B老健施設に入院(所)、または通院(所)中の男性126人、女性147人の計273人(68.9 ±16.7歳)を対象に、筋肉量を含む体組成、身体計測、筋力(握力)、身体機能(TUG、6m歩行速度)を測定した。筋肉量はインピーダンス法(BIA)及び骨格筋指数(SMI)予測モデル(真田ら、2010)によりSMIを算出し、基礎疾患、入院日数、飲酒、喫煙、身体計測(四肢周径、腹囲)、身体機能、BMI、体脂肪率、認知機能スコアなどとの関連を検討した。その結果、サルコペニアの頻度はA病院全体で16.6~31.2%、B老健施設全体では43.5~72.1%と地域在住健常者(既報値)よりも多かった。男女とも加齢とともにサルコペニアは増加したが、特に75歳以上の高齢女性で多かった。筋肉量、SMI値は、多くの患者で低下し、容易にサルコペニアに進行する状態にあると思われた。また、サルコペニアは長期療養中の在宅の通院・通所者に比べ、各々入院患者と老健施設入所者で多かった。サルコペニアは精神疾患との関連はなかったが、認知症、身体疾患と関連し、身体計測をはじめとする各パラメーターは正常群及びプレ・サルコペニア群に比べ低下し、痩せとの関連が示唆された。 長期療養者、特に入院(所)、在宅にかかわらず筋機能低下、認知機能低下や痩せを認める高齢者には十分な栄養管理とともに積極的な運動療法の介入が必要である。
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Research Products
(6 results)