2017 Fiscal Year Annual Research Report
Pathophysiology of diabetic peripheral neuropathy based on multiple electrophysiological evaluation
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15K09368
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Research Institution | National Hospital Organization Chiba-East-Hospital |
Principal Investigator |
磯瀬 沙希里 独立行政法人国立病院機構(千葉東病院臨床研究部), その他部局等, その他 (80466698)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 糖尿病性末梢神経障害 / 電気生理検査 / 小径線維障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病性末梢神経障害は神経障害性疼痛を呈し日常生活を著しく障害しうるが、その病態機序は未だ不明な点も多く、さらに糖尿病病型(1型・2型)によっても疼痛などの臨床症状や末梢神経障害の主病態が異なるとされる。神経障害性疼痛の評価として小径線維や神経軸索機能に関する検査手法が注目されているが、1型糖尿病における検討はまだ少ない。今回、上記知見に基づき、1型・2型糖尿病患者における末梢神経障害の特徴・病態を明らかにするために、生理学的背景(大径・小径線維)および神経機能(神経軸索の器質的・機能的障害)の視点から、多角的電気生理学的検討を行った。対象は1型糖尿病患者20例、2型糖尿病患者33例、正常対照20例で、小径線維評価として表皮内電気刺激法を用いた疼痛関連誘発電位、大径線維評価として、神経伝導検査および軸索機能検査を行った。小径線維検査では、上下肢における小径線維(Aδ・C線維)に対する刺激閾値・誘発電位を評価し、大径線維検査では一側上下肢の神経伝導検査および同側上肢の軸索機能検査を評価、群間比較検討を行った。1型・2型糖尿病群での臨床症状に関しては、罹病期間・血糖・腎機能障害に有意差はなく、2型糖尿病群では1型糖尿病群に比べ疼痛等の神経症状を高頻度に認めた。小径線維評価では、2型糖尿病群で健常群に比べ、Aδ・C線維に対する刺激閾値上昇・誘発電位の潜時延長を認めたが、1型糖尿病群では変化に乏しかった。神経伝導検査では1型・2型糖尿病ともに下肢優位の軸索障害を認め、軸索機能検査では軽度の脱分極性変化を認めた。1型・2型糖尿病において大径線維障害の差異は目立たない一方、小径線維障害は2型糖尿病でより強い傾向にあり、疼痛症状に関連している可能性がある。糖尿病性末梢神経障害はさらに病期・合併症のなど多因子の影響も受けうるため、今後、病期などの層別解析やさらなる多症例検討が必要である。
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Research Products
(3 results)