2017 Fiscal Year Research-status Report
インプラント埋入用装置を応用した顎口腔ジストニアへのボツリヌス毒素注射方法の確立
Project/Area Number |
15K09370
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Kyoto Medical Center |
Principal Investigator |
吉田 和也 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究員 (90263087)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ジストニア / ボツリヌス治療 / 開口ジストニア / CAD/CAM / 外側翼突筋 / 不随意運動 / ボツリヌス毒素 / 顎口腔ジストニア |
Outline of Annual Research Achievements |
(目的)本研究の目的はインプラント埋入手術の際に使用されるサージカルテンプレートを応用してボツリヌス毒素を外側翼突筋に正確かつ簡単に注入する方法を開発することである。 (方法)対象は不随意の開口を生じ、咀嚼障害や構音障害を主訴とする開口ジストニア17例(男性9例、女性8例、平均年齢47.6歳)とした。上顎の石膏模型をスキャンしたデータとCTデータをコンピュータ上で重ね合わせた。サージカルテンプレートを分析するソフトNobelClinician(ノーベル・バイオケア・ジャパン社)を用いて、注射針の先端が外側翼突筋下頭内の最も理想的な位置となるよう、両側2本ずつアンカーピンとして設計し、光造形法で刺入用ガイドを作製した。ガイドを患者の口腔内に確実に装着し、注射針をアンカーピンのスリーブに挿入し、筋電計で針先が筋内にあることを確認し、生理食塩水で希釈したボツリヌス毒素(ボトックス: グラクソ・スミスクライン社)を25-50単位注入した。顎口腔領域のジストニアの客観的評価法3を用いてボトックス注射の治療効果と合併症をガイドの有無で比較した。 (結果と考察)ボツリヌス療法をガイドなしで31回、ガイドを装着して30回行った。注射針の刺入はきわめて容易で、偶発症はまったくみられなかった。ガイド使用によって(63.0%)、ガイドなし(54.1%)より有意に(P<0.002)客観的評価法による改善度が上昇した。本法は外側翼突筋へのボツリヌス治療の際に正確かつ安全な注射を行うために有用であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた外側翼突筋への使用は非常に有効であり、学会発表や論文発表を行った。 本治療法を新規技術として先進医療に申請のため準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、外側翼突筋に不随意収縮を生じる症例を増やしていくとともに、長期的に効果を持続できるかを経過観察していく。先進医療に申請を予定しており、準備中である。 三叉神経痛に対するボツリヌス治療時への応用を現在推進中である。
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Causes of Carryover |
予定年度内に3編の論文が掲載予定となったが、投稿費の支払いが年度内にできなかったため、1年間の延長が認められた。
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Research Products
(18 results)