2016 Fiscal Year Research-status Report
CXCL12-CXCR4経路を介した新規褐色脂肪活性化メカニズムの解明
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15K09376
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
石川 耕 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (80456087)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 褐色脂肪細胞 / エネルギー消費 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病が増加している原因として、肥満の増加が考えられる。肥満解消の治療戦略の一つとして、エネルギー消費を増加させる概念がある。褐色脂肪細胞は、その活性化によりエネルギーが消費され非ふるえ熱産生を行う機能を有する。我々は、褐色脂肪細胞活性化因子としてCXCL12を見出し、研究を進めている。これまでの研究で、不死化した褐色脂肪培養細胞および褐色脂肪初代培養細胞を用いて、検討して来たことを報告した。今年度はUCP-1 Creマウスとflox CXCR4マウスを用いて、褐色脂肪細胞特異的CXCR4受容体欠損マウスを作成して、表現型を調べ始めた。 まず、通常の状態である室温25℃の段階で、体重、摂餌量を1週間ごとに記録した。さらに20週齢において糖負荷試験、インスリン負荷試験を行い、糖代謝とインスリン感受性の変化について同胞野生型と比較検討した。野生型対照群と有意な差は認められなかった。欠損マウスの数はオス1匹、メス1匹のため、今後実験数を増やしていく予定である。褐色脂肪細胞の強力な活性化の手段は寒冷刺激を与えることである。4℃寒冷暴露と、25℃の室温で褐色脂肪組織の活性化を遺伝子発現で検討した。欠損マウスはまだ1匹のみの検討であるが、対照群と比較してわずかにUCP-1, GPC-1aの発現が低下していた。さらに検討数を増やす予定である。4℃の寒冷刺激が強すぎて、差が出にくい可能性を考え、今後25℃と30℃の条件下で褐色脂肪組織の活性化を検討する予定である。野生型で検討したパイロットスタディでは、30℃条件下では褐色脂肪組織はほとんど不活性化されていることを確認している。そのほかの条件として、高脂肪食を与えて、3週間飼育後褐色脂肪組織の活性化を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、マウスの表現型を検討している段階である。マウスの出生数が少ないため、十分な数が確保できていないが、ブリーディングを進めているので、いずれ十分な数は供給できるものと予想している。
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Strategy for Future Research Activity |
表現型を確定したのちに、細胞内シグナルなども評価してく予定である。 受容体CXCR4欠損マウスで検討しているが、もう一つの受容体であるCXCR7はCXCR4と逆の遺伝子発現を示している。当初の予想していなかった動きであるが、今後、in vitro, in vivoの両方で、CXCR7の働きも検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
マウスの出生数が予想よりも少なかったために、実験し使用する物品が少なく済んだため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後、マウスの検討数が増える予定で、血糖測定やインスリン測定、遺伝子発現、タンパク発現などに用いる物品購入費に充てる計画である。
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Research Products
(2 results)