2015 Fiscal Year Research-status Report
分泌顆粒特異的分子SKIPがインスリン分泌とインクレチン分泌を調節する意義
Project/Area Number |
15K09384
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
原島 伸一 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80444793)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | インスリン分泌 / インスリン顆粒 / 惹起経路 / 増幅経路 |
Outline of Annual Research Achievements |
SKIP分子は膵α細胞には発現せず、膵β細胞に発現することを、マウスおよびラットのみならず、ヒト膵島でも確認できた。さらに、ラット膵島を用いた検討では、高グルコース濃度下ではSKIPの発現が低下し、低グルコース濃度下で発現が増えてくること、さらに、肥満動物モデルであるコレツキーラット膵島では、高インスリン血症ではSKIPの発現が低下していることが確認できた。このことから、SKIPの生理的役割として、高発現によりインスリン分泌の抑制を、低発現によりインスリン分泌の促進を担っていることが示唆された。 そこで、ラットインスリノーマ細胞株であるINS-1D細胞を用いて、SKIPのインスリン分泌に及ぼす影響を検討した。SKIP過剰発現細胞では、グルコース応答性インスリン分泌は抑制されたが、エキセンジン-4によるインスリン分泌は抑制されなかった。一方、SKIP低発現細胞では、グルコース応答性インスリン分泌が増強されたが、エキセンジン-4応答性インスリン分泌の増強は認められなかった。このことから、SKIPは、グルコース応答性インスリン分泌の調節因子であり、インクレチン応答性インスリン分泌には影響を与えないことが考えられた。 また、SKIPのグルコース応答性インスリン分泌に与えるメカニズムを明らかにするために、同分子の局在を検討したところ、インスリン分泌顆粒に局在していることが判明した。SKIPはグルコース代謝、ATP産生、電気刺激によるインスリン分泌には、SKIPの発現量が影響を与えないことが明らかとなってきていることから、SKIPはインスリン分泌顆粒において直接的にインスリン分泌に影響を与えていることが示唆され、現在詳細を詰めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H27年度の目標は、細胞レベルでの検討と動物モデルを用いた検討が主であったが、概ね予定通りに研究を進めることができている。また、当初予定していた以上に、メカニズムの解明も進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞レベルでの研究は順調に進んでいることから、H28年度以降は、SKIPノックアウトマウスを作成し、in vivo、ex vivoでの検討を進める。 また、SKIPがグルコース応答性インスリン分泌を調節する分子機序に関しても、ノックアウトマウスの膵島を用いて検討する。 最終的には、ヒトにより近い、SKIPノックアウトラットの作成に取りかかりたい。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Sitagliptin monotherapy has better effect on insulinogenic index than glimepiride monotherapy in Japanese patients with type 2 diabetes mellitus: a 52-week, multicenter, parallel-group randomized controlled trial.2016
Author(s)
Kondo Y, Harada N, Hamasaki A, Kaneko S, Yasuda K, Ogawa E, Harashima S, Yoneda H, Fujita Y, Kitano N, Nakamura Y, Matsuo F, Shinji M, Hinotsu S, Nakayama T, Inagaki N
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Journal Title
Diabetol Metab Syndr.
Volume: 8
Pages: 1-5
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Ayano-Takahara S, Ikeda K, Fujimoto S, Asai K, Oguri Y, Harashima S, Tsuji H, Shide K, Inagaki N.2015
Author(s)
Ayano-Takahara S, Ikeda K, Fujimoto S, Asai K, Oguri Y, Harashima S, Tsuji H, Shide K, Inagaki N.
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Journal Title
J Diabetes Investig.
Volume: 6
Pages: 678-686
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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