2015 Fiscal Year Research-status Report
血管新生抑制因子THBS1の白色脂肪細胞褐色化における意義
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15K09386
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井上 真由美 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80512079)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 脂肪細胞 / 褐色脂肪細胞 / ミトコンドリア / THBS1 / 血管新生 |
Outline of Annual Research Achievements |
Thrombospondin1 (THBS1) は血管新生抑制因子として癌治療への応用が考えられている。一方、米国での報告によると高度肥満患者の脂肪組織においてはThbs1の遺伝子発現が増強しているという報告があることから、その肥満との関連が指摘されている。我々はTHBS1の肥満症における意義を明らかにするため以下のような検討を行った。 血管新生抑制因子Thbs1ノックアウトマウス (Thbs1KO) は高脂肪食負荷による肥満抵抗性を示し、インスリンへの反応性を維持することを報告してきた(Inoue et al.Endocrinology)。 そのメカニズムを検討する目的で今年度は脂肪組織での血管新生におけるTHBS1の意義の解析を行った。 Thbs1KOマウスと野生型マウスから採取した脂肪組織を免疫染色を用いて検討したデータを定量的に解析した。血管を同定するタンパクisolectinの免疫染色したサンプルを検鏡し画像解析ソフトで解析したところ、Thbs1KOマウスの脂肪組織において野生型にくらべて血管新生が亢進しているらしいことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞外フラックスアナライザーの機械の不調など、アッセイがスムーズに行われない時期があり、プロジェクトが若干遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
京都大学生命科学研究科今村博臣准教授の開発されたATPの結合によりFRET効率が変化するプローブ、ATeam(Imamura et al. Proc Natl Acad Sci USA)を用いて細胞内ATP濃度を測定しようとしている。これによりシングルセルレベルでミトコンドリア呼吸の違いを検出できる。またミトコンドリアコンプレックスの活性の測定も行う。今年度はこちらのアッセイにも力をいれて進めていく予定である。
また、THBS1の下流のタンパクを模索するためにスクリーニングも行っている。こちらでも興味深い遺伝子やタンパクが見つかってきているので、こちらもさらに解析を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
細胞外フラックスアナライザーの機械の不調によりそれを用いたアッセイが希望通りに行えなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は昨年度予定していた分のアッセイも合わせて行う予定である。
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