2017 Fiscal Year Annual Research Report
Involvement of mtROS and Warburg effect in diabetic complications progression mechanism by hypoglycemia
Project/Area Number |
15K09393
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
久木留 大介 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (10555759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 栄一 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (10253733)
松村 剛 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (20398192)
西川 武志 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特任准教授 (70336212) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ミトコンドリア由来活性酸素種 / 低血糖 / 糖尿病 / 動脈硬化 / 糖尿病網膜症 |
Outline of Annual Research Achievements |
血管内皮細胞における活性酸素種過剰産生は血管内皮障害および動脈硬化病変の形成において重要な役割を果たす。ミトコンドリア由 来活性酸素種 (mtROS) は、糖尿病血管合併症の成因において中心的役割を担っていると考えられている。一方、厳格な血糖管理の際 に起こる低血糖は、心血管イベントの発症に関与する可能性が注目されているが、その機序は未だ不明である。 そこで、ウシ血管内皮細胞およびヒト網膜内皮細胞において、低グルコース状態がmtROS産生増加を誘導するか、低グルコースにより誘導されたmtROSが血管内 皮障害に寄与するかについて検討した。血管内皮細胞において、低グルコース状態によりmtROS産生増加が誘導されること、それらがm anganese superoxide dismutase (MnSOD)過剰発現により抑制されることを確認した。網羅的メタボローム解析やミトコンドリア酸素 消費速度の測定で、低グルコース状態が脂肪酸酸化を介して脂肪酸をacetyl-CoAへ変換する経路が亢進することを確認した。加えて、 遊離脂肪酸のトランスポーターであるcarnitine palmitoyltransferase Iの阻害剤 (etomoxir) を用いることで、低グルコースにより 誘導されたmtROSが減少した。これらの結果は、低グルコースが脂肪酸酸化の亢進を介してmtROS産生を増加させていることを示唆して いる。さらに、低グルコース状態がmtROS産生を増加させることで、endothelial nitric oxide synthaseのリン酸化を抑制し、vascul ar cell adhesion molecule-1、intercellular adhesion molecule-1の発現を上昇させることを確認し、これらの現象はetomoxir投与 により消失した。
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Research Products
(3 results)