2017 Fiscal Year Research-status Report
食後グレリン分泌異常による糖尿病ＧＬＰ－１分泌不全の解明
| Project/Area Number |
15K09397
|
|---|
| Research Institution | Jichi Medical University |
|---|
Principal Investigator |
出崎 克也 自治医科大学, 医学部, 准教授 (90337329)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2019-03-31
|
| Keywords | インスリン分泌 / 糖代謝 / 糖尿病 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、グレリンがGLP-1作用（インスリン分泌促進）の抑制に加え、生理的GLP
-1分泌を抑制しており、グレリン分泌亢進が糖尿病におけるGLP-1分泌低下の原因であるという「グレリンの広範なGLP-1抑制作用」仮説の立証を行う。
グレリン投与は、マウスの経口グルコース負荷試験（OGTT）時の血中GLP-1分泌とインスリン分泌を低下させ、血糖上昇を増大させた。GLP-1分泌における内因性グレリンの役割を検討した結果、グレリン受容体拮抗薬の投与により内因性グレリン作用を阻害すると、
マウスOGTT時の血中GLP-1分泌とインスリン分泌が促進し、血糖上昇が抑えられた。さらに、グレリンKOマウスやグレリン受容体KOマウスにOGTTを行った結果、血中GLP-1分泌とインスリン分泌が野生型マウスより亢進していた。以上より、内因性グレリンが生理的GLP-1分泌を抑制していると考えられる。
インスリン分泌を抑制するアドレナリンの詳細なβ細胞シグナル伝達を検討した結果、アドレナリンがグレリンと同様なシグナル伝達（TRPM2チャネル抑制）によりインスリン分泌を抑制することを明らかにした。
膵島ではNPY受容体ファミリーのY1受容体がインスリン分泌を抑制性に制御しており、その作用メカニズムとしてβ細胞のcAMP-CREB経路を介して解糖およびATP産生を調節することを見出した。β細胞のY1受容体阻害によりインスリン分泌が促進し、Y1受容体を遺伝学的に欠損させた膵島を糖尿病マウスへ移植すると移植成績が向上し、より少数の膵島移植でインスリン分泌が亢進し糖尿病マウスの高血糖が改善することを示した。また自然発症糖尿病マウスへのY1受容体阻害薬の投与により、糖尿病の発症を大きく遅延させることに成功した。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度の採択が遅れ、研究開始が当初予定時期より半年以上遅れてしまった。さらに、実験装置の故障により研究計画の見直しを行った。
|
| Strategy for Future Research Activity |
GLP-1分泌細胞においてCa感受性蛍光タンパクを発現するGcg-GCaMP6マウスを作出した。本マウスのin vitroおよびin vivo Caイメージングにより、グレリンによるGLP-1分泌抑制メカニズムを解明する。
|
| Causes of Carryover |
初年度の採択が遅れ、研究開始が当初予定時期より半年以上遅れてしまった。さらに、実験装置の故障により研究計画の見直しを行った。
GLP-1分泌細胞においてCa感受性蛍光タンパクを発現するGcg-GCaMP6マウスを作出しており、本マウスのin vitroおよびin vivo CaイメージングによりグレリンによるGLP-1分泌抑制メカニズムを解明する。
|
-
-
-
[Journal Article] Inhibition of Y1 receptor signaling improves islet transplant outcome2017
Author(s)
Loh Kim、Shi Yan-Chuan、Walters Stacey、Bensellam Mohammed、Lee Kailun、Dezaki Katsuya、Nakata Masanori、Ip Chi Kin、Chan Jeng Yie、Gurzov Esteban N.、Thomas Helen E.、Waibel Michaela、Cantley James、Kay Thomas W.、Yada Toshihiko、Laybutt D. Ross、Grey Shane T.、Herzog Herbert
-
Journal Title
Nature Communications
Volume: 8
Pages: 490
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-
-
