2016 Fiscal Year Research-status Report
HDL代謝賦活による膵β細胞の脂肪毒性解除のストラテージ
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15K09415
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
村尾 孝児 香川大学, 医学部, 教授 (20291982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大森 浩二 香川大学, 医学部, 准教授 (00263913) [Withdrawn]
井町 仁美 香川大学, 医学部, 准教授 (80380187)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | HDL / ABCA1 / PREB |
Outline of Annual Research Achievements |
1、ABCA1発現抑制による脂肪毒性におけるCaMKK/CaNKIV pathwayの役割。 プロテインキナーゼの網羅的検討にてCaMKK/CaMKIV pathwayが脂肪毒性にともない発現が低下し、インスリン合成分泌も減少した。細胞内情報伝達系CaMKK/CaMKIV pathwayは、ABCA1の発現をと主調節系である。我々は膵β細胞の脂肪毒性に重要な役割をになうABCA1はGLP-1のアナログExendin-4投与により脂肪毒性が解除されることを明らかにした。この機序は、Exendin-4がCaMKK/CaMKIV pathwayを活性化し、ABCA1遺伝子発現をプロモーターレベルで刺激することであることを明らかにした。さらに今回の検討では、CaMKK/CaMKIV pathway活性化によるABCA1遺伝子発現メカニズム解明を目指す。すでにDNAマイクロアレイでABCA1制御因子として転写因子PREBを同定している。 2、膵β細胞におけるABCA1発現調節因子PREBの役割について解明する。 膵β細胞におけるPREBによるABCA1発現調節のメカニズムの解析をおこなった。また膵β細胞におけるPREB発現の意義について検討するためにPREB過剰発現トランスジェニックマウス(PREB-Tg;組み替えDNA承認番号:10219)を作成した。PREB-Tgマウスではコントロールマウスに比較して、予想通りABCA1の強発現が認めた。PREB-Tgマウスに高脂肪食を負荷したモデルでは、ブドウ糖負荷に対するインスリン分泌が改善し、脂肪毒性の改善が認められた。一方驚いたことには、膵ランゲルハンス島が増殖していた。しかしPREB-Tgマウスでは耐糖能が低下していた。その機序としては、PREB-Tgマウスではアディポネクチンが低下していることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画どうりに進行している。結果をまとめて論文作成をおこなった。 1、Prolactin regulatory element-binding protein is involved in suppression of the adiponectin gene in vivo.Zhang XZ, Imachi H, Lyu JY, Fukunaga K, Sato S, Ibata T, Kobayashi T, Yoshimoto T, Kikuchi F, Dong T, Murao K.J Endocrinol Invest. 2017 40(4):437-445.
2、Insulin-like Growth Factor 1 Regulates the Expression of ATP-Binding Cassette Transporter A1 in Pancreatic Beta Cells.Lyu J, Imachi H, Iwama H, Zhang H, Murao K.Horm Metab Res. 2016 48(5):338-44.
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Strategy for Future Research Activity |
ABCA1を分子標的としたtranslational researchを検討する。ストラテージとしては、CaMKK/CaMKIV pathwayまたは転写因子PREBの活性化を検討したが、選択的な活性化の手法が確立できていない。そこでDNAサーチでこの経路の下流にあるマイクロRNAに着目した。CaMKK/CaMKIV pathway の支配下にあるPREBがABCA1遺伝子の3’UTRに結合し、ABCA1発現を抑制することが報告した。まずCaMKK/CaMKIV pathwayによるABCA1発現促進作用をPREBによる促進が相関することより、膵β細胞に選択的にPREBを遺伝子導入し、ABCA1の活性化を検討する。PREB遺伝子導入法に関しては、マイクロバブルとPREB発現ベクターでミセルを形成し、ウイルスベクターなどの外来性抗原の暴露がなく、侵襲性が少なく、臓器選択性に遺伝子導入が可能な超音波法を利用したUltrasonic microbubble destruction法を検討し、臨床応用に向けた治療法の開発をおこなう。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Prolactin regulatory element-binding protein is involved in suppression of the adiponectin gene in vivo2017
Author(s)
Zhang XZ, Imachi H, Lyu JY, Fukunaga K, Sato S, Ibata T, Kobayashi T, Yoshimoto T, Kikuchi F, Dong T, Murao K
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Journal Title
J Endocrinol Invest
Volume: 40
Pages: 437-445
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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