2015 Fiscal Year Research-status Report
ストレスによるCRF神経細胞のシナプス再構成―蛍光可視化マウスを用いた検討
Project/Area Number |
15K09421
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
布施 俊光 東北大学, 情報科学研究科, 助教 (50401039)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井樋 慶一 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (60232427)
内田 克哉 東北大学, 情報科学研究科, 助教 (40344709)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | ストレス / 視床下部 / シナプス |
Outline of Annual Research Achievements |
ストレスに対する脳・神経系の応答は個体の機能維持・生存のみならず,ヒトの社会活動にも影響をおよぼす重要な生体機能である.しかしながら,応答メカニズムの詳細,その破綻機構はいまだわかっていない.我々はストレス負荷が神経細胞レベルでの機能修飾を引き起こすと考え,それを個体レベルで解析するために研究代表者らによって開発したストレス応答の中枢神経系における中心的部位である視床下部コルチコトロピン放出因子(CRF)神経細胞の蛍光可視化マウス(Itoi et al., 2014)を用いて,ストレス負荷にともなって作用する神経伝達物質や糖質コルチコイドがひきおこすシナプスの形態と機能の再構成機構を明らかにすることを本研究課題の目的として研究を開始した.この長期慢性ストレス負荷によるシナプス再構成やシナプスタンパク質の局在量変化,遺伝子発現変化を同時に観察することで,ストレス応答についての詳細な理解が進むことを期待している. 平成27年度は,1.マウス個体を用いた慢性的多様ストレス負荷実験の系を確立した.さらに,2.視床下部におけるシナプスタンパク質の可視化をおこない,幾つかのシナプスタンパク質が視床下部CRF神経細胞領域に局在している知見を得た.3.上記2つの成果を元に,ストレス負荷による細胞微小形態およびタンパク質局在量の変化について検討をおこなっている.今後,まず規模を拡大して詳細の解析を行い,基盤となるデータの蓄積をすすめる予定である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
幾つかのシナプスタンパク質の染色において,染色の困難さから再現性と定量制を確保することに難渋し,予定が遅れてしまった.また,慢性多様ストレス負荷に使用する装置を移動する必要があり,環境整備にも時間を要してしまった.
|
Strategy for Future Research Activity |
幾つかの実験上の困難はあったものの,当初の作業仮説,方針に沿って進めていく予定である.
|
Causes of Carryover |
幾つかのシナプスタンパク質について染色法の確率が遅れたため,実験サイクルに遅れが生じ,とくに動物繁殖,飼育の費用に余剰が生じてしまった.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度の遅れを取り戻すべく実験規模を拡大し,当初の予定通りの研究計画に近づけていく.
|
-
[Presentation] Dual effects of serotoninergic inputs on the local circuits regulating the corticotropin-releasing factor neurons in the paraventricular nucleus of the hypothalamus: An electrophysiological study using the CRF-VenusΔNeo mouse.2015
Author(s)
T. SATO, T. SUGAYA, T. FUSE, K. UCHIDA, A. H. TALUKDER, J. KONO, N. SUGIMOTO, S. YAMAGATA, M. ABE, M. YAMAZAKI, A. FUKUDA, K. SAKIMURA, K. ITOI
Organizer
45th annual meeting of Society for Neuroscience
Place of Presentation
シカゴ,アメリカ
Year and Date
2015-10-19 – 2015-10-19
Int'l Joint Research
-
-
-
-