2016 Fiscal Year Research-status Report
下垂体腺腫における14q32インプリンティング領域の遺伝子発現制御機構
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15K09435
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
吉本 勝彦 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 教授 (90201863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 武男 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 助教 (10350399)
水澤 典子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 助教 (80254746)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 下垂体腺腫 / microRNA / インプリンティング / メチル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
14q32.2 のインプリンティング領域に位置する遺伝子(miRNAおよびlong non-coding RNA)の低発現を下垂体ACTH, FSH/LH, Null cell 腺腫で認めた。一方GH腺腫における発現は正常下垂体に比して高発現傾向を示すこと認めた。そこで、発現低下あるいは増加の機序をゲノムコピー数およびプロモーターメチル化の観点から解析した。 1. MLPA法を用いた14q32.2インプリンティング領域のゲノムコピー数の解析 正常下垂体および各タイプの腺腫からゲノムDNAを抽出した。SALSA MS-MLPA probemix ME032-A1 UPD7/UPD14を用いて解析した。 14q32.2に位置するDLK1、MEG3の5’上流部分、MEG3 (exon 11)、RTL1、miR-380 のゲノムコピー数は正常下垂体と同様に、いずれの腺腫においても2コピーを示し、コピー数の増減は認められなかった。また、他染色体のインプリンティング領域部位である6q24.2, 7p12.1, 7q32.2のコピー数も2であった。 2. Methylation-specific MLPA法を用いたCpGのメチル化解析 ゲノムDNAをメチル化感受性制限酵素 であるHhaI処理後、MLPAを行った。MEG3 のexon 1aの3箇所について検討した。正常下垂体では半数のゲノムDNAがメチル化されていることより、父方アレルにおけるメチル化によるインプリンティングを受けていることが明らかとなった。FSH/LH腺腫3例のうち1例でMEG3の1-2の塩基位置で両アレルの高メチル化を認めた。しかし同部位から0.1および0.4kb上流のCpGが正常と同じメチル化であった。GH腺腫4例のうち1例でMEG3のexon 1aの上流の2箇所で両アレルの低メチル化を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
14q32.2インプリンティング領域のmiRNAおよびlong non-coding RNAの発現低下あるいは増加が、腺腫におけるコピー数の増減によるものでないことを多検体を用いて確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
Methylation-specific MLPA法を用いたCpGのメチル化解析の結果と以前に解析したbisulfite sequencing法によりメチル化の結果が一致しない(検討しているCpGの位置は異なる)。このため、MEG3プロモータ領域のメチル化解析をより詳細に解析する必要があいpyrosequencing法による解析を検討している。
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Causes of Carryover |
平成29年度にメチル化の解析をおこなう予定で、検体数を増加させると費用がかさむため次年度使用に充てることとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
14q32.2インプリンティング領域プロモーター部分のメチル化をpyrosequencingを中心として解析をおこなう予定。
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