2015 Fiscal Year Research-status Report
甲状腺ホルモンはいかにしてエネルギー代謝を亢進させるか
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15K09436
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
岩崎 泰正 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (30303613)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 甲状腺ホルモン |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】甲状腺ホルモンの過剰は基礎代謝を亢進させるが、その分子機序の詳細は未だ明らかでない。今回我々は、ミトコンドリアのエネルギー産生に関与する遺伝子の転写調節領域を in vitro および in silico で解析し、甲状腺ホルモン受容体の標的となる遺伝子を検索した。【方法】ミトコンドリア新生 (MB) に関与する遺伝子群、ミトコンドリアへの NADH 供給に関与する遺伝子、酸化的リン酸化 (OXPHOS) に関与する遺伝子群、およびATP 輸送する遺伝子群を標的として塩基配列を解析し、一部は遺伝子のクローニングを施行して甲状腺ホルモンの効果を検討した。【成績】1) MB のマスターレギュレーターである PPARGC1A、2)グリセロールリン酸シャトルを構成する G3PD、4) OXPHOS に関与する CYC1、4) ミトコンドリア内で産生された ATPを核外に搬送する ATP/ADP transolcator 遺伝子などに甲状腺ホルモン応答領域が認められた。また後者に関しては実際に T3 による転写誘導効果が新たに観察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
甲状腺ホルモンはミトコンドリア数の増加 (MB) のみならず、ミトコンドリア外から内への NADH の輸送、それらを材料とした ATP 産生の促進に加え、産生された ATP のミトコンドリア内から細胞質への輸送促進など、ミトコンドリアによるATP 供給機能全般を促進することにより、代謝亢進作用を発揮している可能性を示唆する結果が得られたこと。
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Strategy for Future Research Activity |
1.甲状腺ホルモンによるNAT1 mRNA の変動を、real-time PCRで解析する。 2.甲状腺ホルモンによるNAT1蛋白の変動を、Western Blottingにより解析する。 3.NAT1遺伝子プロモーター上の甲状腺ホルモン応答配列を、deletion analysis や electromobility shift assay により同定する。
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Causes of Carryover |
1.Real-Time PCR の適切なプローブを初年度中に選択、購入することが、技術的な理由で困難であったため。 2.ANT1以外のミトコンドリア関連標的遺伝子の検索に時間を要したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
1.次年度に適切なプローブを選択・購入し、実験を継続する。 2.昨年度に見出されたANT1以外の標的遺伝子に関しても、研究の対象に含める。
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Research Products
(1 results)