2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K09441
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
福井 道明 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30247829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 真裕 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50309134)
田中 武兵 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70713717)
濱口 真英 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (80350883) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アンドロゲン / サルコペニア |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は筋萎縮・サルコペニアの分子レベルでの病態解明を目指している。 本研究ではサルコペニア動物モデルを用いて、筋組織におけるmicro RNA(mi R)の発現変化に注目した。8週齢オスBl/6マウスに睾丸摘出 (Orchiectomy) を実施すると、4週後にヒラメ筋が萎縮することを確認し、サルコペニア動物モデルとして用いることとした。研究代表者はこの萎縮したヒラメ筋とコントロールのヒラメ筋からRNAを抽出することで筋特異的mRNAの発現変化が起きることを確認した。筋特異的mRNAについては文献的検討に加え、GSE16486およびE-MEXP-2192を再解析することでテストステロンシグナルの遮断による筋萎縮時のmRNA変化について網羅的検討を実施した。 研究代表者は、コントロール群として偽手術を実施した群、評価群として睾丸摘出を実施した群、さらに比較群として睾丸摘出を実施し、テストステロンの補充を実施した群の3群を設定し、比較検討した。研究代表者はこのサルコペニア動物モデルを用いて、ヒラメ筋から全RNAを抽出しmiRNAアレイを実施した。アレイにより得られた結果は生物統計学的に検討し、サルコペニア特異的miRを数種類同定した。 今後は、この同定したサルコペニア特異的miRの機能について、マウス骨格筋細胞株C2C12を用いて明らかにする。 本研究からサルコペニアで特異的に発現異常をきたすmiRNAが同定されること、その生物学的特性が明らかとなることは、サルコペニアの早期診断・新規治療開発の上で重要である。すわなち、サルコペニアで特異的に発現異常をきたしたmiRNAを阻害・補充し、その発言を正常化させることが、現在治療法のないサルコペニアの画期的治療となりうる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の予定は睾丸摘出マウスにおける筋萎縮・脂肪化の至適条件検討とモデルの生物学的評価と睾丸摘出により筋萎縮・脂肪化したヒラメ筋でのTranscriptome解析であった。8週齢オスBl/6マウスに睾丸摘出 (Orchiectomy) を実施し、4週後にヒラメ筋を評価した。ヒラメ筋重量は睾丸摘出により増加が抑制されるがテストステロンの補充により改善した。睾丸摘出後4週経過時点で、組織学的にヒラメ筋の筋繊維が萎縮していることも確認、テストステロンの補充により改善することも確認した。Transcriptome解析については、GSE16486およびE-MEXP-2192よりテストステロンシグナルの遮断による筋萎縮時のmRNA変化について網羅的検討を実施した。この結果、irs1が萎縮したマウスヒラメ筋で発現が上昇することを検出、実際我々のサルコペニアマウスモデルのヒラメ筋でも筋萎縮時にirs1の発現が上昇していることを確認した。 平成28年度の予定はテストステロンシグナル遮断により有意に発現上昇、もしくは低下がみられ、筋萎縮・脂肪化と関連するmRNA, microRNA, long non coding RNAの同定であった。GeneChipのスキャンにより得られた蛍光強度は、正規化・対数化を実施、2群ごとに発現強度の変化と変動のばらつきを検討し、サルコペニア時に有意に発現上昇・低下するmiRの候補を選出した。選出されたmiRについてWAD法により、優先順位を算出した。
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Strategy for Future Research Activity |
上記成果を踏襲し、本年度は新規に発見したmi R-Xの機能解明を実施、またmi R-X及びアンチセンスを合成し、マウス骨格筋 細胞株C2C12に導入し、C2C12の細胞分裂能、アポトーシスを評価する。 次いでC2C12を筋管細胞に分化させることで、分化能、分化後の筋管細胞における機能発現にmi Rが与える影響を評価する。 また、同定したmi R-Xがヒトのサルコペニアのバイオマーカーとなるか、についても研究代表者が実施しているコホートを用いて評価する。
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Research Products
(6 results)