2016 Fiscal Year Research-status Report
β3インテグリン機能発現におけるキンドリンの役割解明と新たな因子の探索・同定
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15K09463
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
本田 繁則 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (00303959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 敏行 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, シニア研究員 (90183970)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | インテグリン / シグナル伝達 |
Outline of Annual Research Achievements |
β3インテグリンは血小板、血管構成細胞、腫瘍細胞などに発現する接着受容体であり、血栓症や血管病の発症・進展および腫瘍の浸潤・転移において重要な役割を果たしている。しかし、インテグリン機能発現に関わる分子機構の全容は明らかはでない。申請者らは発現クローニングの手法を用いてintegrin-linked kinase(ILK)がβ3インテグリンの機能発現に関わる因子の1つとして単離報告した。本研究では、ILK結合タンパク質の1つであり、インテグリン活性化に必須の細胞内アダプタータンパク質キンドリンに着目し、インテグリン機能発現のメカニズムを明らかにする。また、キンドリンが関連する細胞内タンパク質や新たなインテグリン機能発現因子の探索実験など基礎的研究を通じて、創薬シーズとしての展開を目指している。 今回は前年度に引き続いてキンドリン欠損株の樹立に取り組んだ。今回新たにヒト赤芽球白血病細胞(HEL, human erythroleukemia)を用いた。本細胞はアゴニスト刺激に反応して活性化するβ3インテグリン、αIIbβ3を発現することを確認している。クリスパー・キャス9ゲノム編集法を用いてキンドリン-3欠損クローン細胞を樹立できた。欠損細胞のインテグリンαIIbβ3はアゴニスト刺激に対して不応性であった。つぎに、欠損クローン細胞にキンドリン-3を一過性にトランスフェクションしてレスキュー実験を行ったところ、アゴニスト刺激反応性にαIIbβ3の活性化が観察できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遺伝子導入効率が低い細胞を用いていることや細胞株の不均一性などにより、目的とするクローン細胞株の樹立に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの実験を継続して実施する。種々変異型キンドリン-3の作製および機能解析、キンドリン-3相互作用タンパク質に関わる解析実験などを進める。
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Causes of Carryover |
消耗品をより安価な物で購入し、節約して使用した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品の購入、学会参加に関連した使用を予定している。
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