2015 Fiscal Year Research-status Report
EBV陽性T/NK細胞リンパ腫におけるAPOBECの機能
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15K09468
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
新井 文子 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (70359678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今留 謙一 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 高度先進医療研究室, 独立室長 (70392488)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | EBV陽性T、NK細胞リンパ増殖症 / Epstein-Barr Virus / P糖蛋白 / NF-κB |
Outline of Annual Research Achievements |
EBV陽性T,NKリンパ増殖症の薬剤耐性分子メカニズムを解明し発表するとともに、その結果を踏まえそれを克服すべく新薬剤の効果を検証する臨床試験を企画、成果を発表した。以下に結果を要約する。 ①EBV-T/NK-LPDsの化学療法抵抗性の原因の一つは細胞外へ薬剤をくみ出すポンプとして働くP糖蛋白の発現であることを細胞株および患者細胞(患者末梢血より分離したEBV感染TもしくはNK細胞)を用いて証明した。これらの細胞ではP糖蛋白の発現が亢進しており、その阻害剤により抗がん剤への感受性が上昇することを明らかにし、論文発表にて報告した。 ② 以上の結果を受けP糖蛋白の影響を受けない薬剤、L-asparaginaseの効果について単施設探索的研究を立案、施行した(UMIN000003498)。EBV-T/NK-LPDs 患者5例に投与を行った。残念ながら2例で診療所見の改善を見たが腫瘍量を反映すると考えられるEBV DNAの減少は1例に認めるにとどまった。効果を認めた1例は発症からの時間が1年と他に比べ短かった。以上からL-asparaginase の効果は明らかでなかったが発症初期の症例では有効である可能性があると考えられた。以上は論文発表にて報告した。 ③細胞株、患者細胞を用いたin vitro, in vivo(マウスモデル)の解析でプロテアソーム阻害剤Bortezomibの効果を見出し、論文投稿した。また結果を踏まえ臨床研究を立案し開始した (UMIN000020315)。 以上は、EBV陽性T,NKリンパ増殖症に対しin vitroの解析から新規薬剤の可能性を開いた意義深い成果と考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年までの研究で解明した以下の2点、①EBV-T/NK-LPDsの化学療法抵抗性の原因の一つとしてのP糖蛋白の機能 ②in vitro の結果をもとにL-asparaginaseおよびbortezomibの効果の検討を行い、前者は論文発表を行うことができた (Journal of Medical and Dental Sciences, 62(1):1-9. 2015.)。さらにEBV-T/NK-LPD患者の感染腫瘍細胞から抽出したRNAに対し、SurePrint G3 Human GE マイクロアレイ 8x60K ver.2.0 (Agilent Technologies) を用いた発現遺伝子の解析、および、それら腫瘍細胞の全エクソンシーケンスによる腫瘍化に寄与する遺伝子の解明に着手することができた。 本年度の目標はほぼ達成できたと考え、標記の達成度と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きEBV-T/NK-LPDsのEBV感染腫瘍細胞の病態関与への分子機構、および発症の背景に存在する宿主因子について解明していく予定である。具体的には、以下を解析する。 EBV感染によるT,NK細胞腫瘍化機構の分子機構:EBV感染によりNF-kB活性化により不死化したT,NK細胞が、さらに遺伝子変異を獲得し腫瘍として進展していく際の分子機構、特にAIDに注目し、EBVの働きを中心に検討を予定している。 背景因子の解析:全エクソンシーケンシングおよび腫瘍化に関係した遺伝子のターゲットシーケンシングをさらに進め、複数の症例で同定される頻度の高いものを発症の原因遺伝子候補とする。それらは、PCR法などにより定量的に変異出現頻度を確認した後、体細胞変異がもたらす機能インパクトを発現調節実験において明らかにする。 末梢血から分離した非感染リンパ球の機能について解析し、疾患発症の背景に存在する免疫機能の異常を解明する。また腫瘍細胞、非腫瘍細胞分画ごとのRNAをGeneChipⓇ 3’Expression Arrayで網羅的に解析し発症に関わる分子を同定する。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Long-term outcome of patients with acquired chronic pure red cell aplasia following immunosuppressive therapy: a final report of the nationwide cohort study 2004/2006 by the Japan PRCA collaborative study group.2015
Author(s)
Hirokawa M, Sawada K, Fujisima N, Teramura M, Bessho M, Dan K, Tsurumi H, Nakao S, Urabe A, Fujisawa S, Yonemura Y, Kawano F, Oshimi K, Sugimoto K, Matsuda A, Karasawa M, Arai A, Komatsu N, Harigae H, Omine M, Ozawa K, Kurokawa M for the PRCA Collaborative Study Group
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Journal Title
Br J Haematol.
Volume: 169
Pages: 879-86
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Efficacy and safety of bortezomib-containing induction chemotherapy for autologous stem cell transplantation-eligible Japanese multiple myeloma patients -A phase 2 multicenter trial-2015
Author(s)
Kudo D, Ohashi K, Komeno K, Nakamura Y, Shinagawa A, Yoshida C, Katsura Y, Ota I, Kakihana K, Kobayashi T, Kawai N, Kato A, Arai A, Yamamoto K, Toyota S, Kumagai T, Ohwada A, Miki T, Hori M, Okoshi Y, Kojima H, and Sakamaki H
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Journal Title
International Journal of Myeloma
Volume: 5
Pages: 12-22
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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