2015 Fiscal Year Research-status Report
次世代シークエンサーによるMRD検出法に基づくPOEMS症候群の治療戦略の確立
Project/Area Number |
15K09494
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
堺田 恵美子 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (60422218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中世古 知昭 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30323398)
武内 正博 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (50466702)
大和田 千桂子 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (80436352)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | POEMS症候群 / 次世代シークエンサー / 微小残存病変 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的:POEMS症候群は形質細胞増殖症(plasma cell dyscrasia)を基盤として、高VEGF血症と特定のモノクローナルλ鎖Mタンパクを伴い、多彩な全身症状を呈する予後不良な疾患であるが、わずかに存在する形質細胞がその疾患発症の鍵を握り、多発性骨髄腫に準じた自家末梢血幹細胞移植、サリドマイドなどの新規薬剤を用いた治療により、ADL、生存期間を改善しうることが示されてきた。しかしPOEMS症候群の発症機構は不明な点が多く、その治療においても移植後の再発・再燃が問題となることも明らかとなってきた。本研究では、自家移植後に次世代シークエンサーを用いた微小残存病変(MRD)の評価に基づいた地固め・維持療法の有用性を検討し、治療方針決定の妥当性、予後を解析することで、POMES症候群に対する新たな治療体系を確立することを目的とする。
平成27年度:過去に当科にて施行した移植症例26例の治療前の骨髄細胞保存検体、もしくは骨髄生検標本からDNAを抽出して、次世代シークエンサーによるλ鎖遺伝子の検出を行った。方法は、免疫グロブリンλ鎖各Vλサブクラスに対するdegenerative primerと共通領域に対するconsensus primerを用いて、λ鎖CDR領域をPCR法にて増幅し、次世代シークエンサーにて網羅的に解析することで、疾患特異的であるIGLV1-40またはIGLV1-44 germlineに由来するクローンを検出した。同様に自家移植後、再発後、再発治療後検体を用いて継時的にMRDの検討を行っている。現在さらに検討症例数を増やして検討中であり、臨床情報を加味し解析を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に従い、概ね順調に経過している。 POEMS症例患者数は順調に蓄積されており、検討検体も増えており、次世代シークエンサーにて網羅的に解析を行い、さらに臨床情報とともに解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後さらに、現在までに検出された疾患特異的IGLV1-40またはIGLV1-44 germlineに由来するクローンと、病勢に係る因子の抽出、関連性を検討する。 ここまでの検討にて、同一患者の初発時、治療後、再発時の検体についてIGLV geneのクロナリティの増減は血清VEGFとある程度相関していることが示唆される興味深い結果を得ている。これらがPOEMS症候群の病因、臨床経過、予後と関わるものか、今後検討を進める予定である。
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