2015 Fiscal Year Research-status Report
免疫抑制的腫瘍微小環境を打破する遺伝子導入Tリンパ球の開発とその機能解析
Project/Area Number |
15K09497
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
寺倉 精太郎 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (40625141)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | キメラ抗原レセプター / 遺伝子導入T細胞療法 / CD8陽性 / Tリンパ球 / 腫瘍微小環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.PD-L1に対するchimeric signaling receptor (PD-L1-CSR)の開発および機能解析: PD-L1に対する抗体のアミノ酸配列情報をもとに単鎖抗体可変領域をデザインし、細胞内ドメインとしてCD28/41BB/その両方をもつ分子を作成した。これらをレトロウイルスを用いて遺伝子導入を行った。この抗体はPD-L1分子を蛍光標識して染色すると、良好に染色されることから、抗原ときちんと結合することが分かった。In vitro/in vivoにおける効果を今後検討していく。 2.CTLA-4 knock-out (KO) Tリンパ球の開発 T リンパ球においてCTLA-4 をKO するため、当初レンチウイルスベースのシステムの開発を試みたが、遺伝子導入時の細胞傷害性が強く発現しうまくいかなかった。そこでCas9 protein systemを用いてCTLA-4を標的として実験を進めた。現在CTLA-4 KO が可能であることを示すため、Cas9 proteinを作用させたあとに細胞を再刺激してCTLA-4発現が低下しているかどうか検討している。作成されたCTLA-4 KO/CD19CAR-T リンパ球あるいはCTLA-4 KO/TCR 遺伝子導入T リンパ球を用いて、in vitro およびin vivo においてこれら細胞のCTLA-4 KO の効果を今後検討する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.PD-L1-CSRの開発および機能解析 目的とする分子の作成は可能であった。今後CSRの機能解析を行うためには、TCRあるいはCARと共発現させたうえで、細胞刺激を行い、その上でシグナルを検討する必要がある。そのため現在CARを遺伝子導入したあと、CSR分子を発現させる系を作成している。 2.CTLA-4 knock-out (KO) Tリンパ球の開発 CTLA-4 KOはCas9 protein systemを用いて行うことによって可能であった。現在遺伝子KOの効率を検討している。遺伝子導入効率としては、CTLA-4発現のフローサイトメトリーによる検討の他に、遺伝子の切断を分子学的に検討する。
|
Strategy for Future Research Activity |
1.PD-L1-CSRの開発および機能解析 CARとの共発現の系で検討を進める予定としているが、CAR→CSRの順に遺伝子導入し、効率よく純化するために、これまで用いてきたEGFRの遺伝子マーカーに加えて、もう一種類CD20を遺伝子マーカーとして用意するために準備を進めている。CD20とEGFRの2つの遺伝子導入マーカーを用いて順に純化することによって、高い効率でCAR/CSRの両方が遺伝子導入された細胞を得ることが出来る。あるいはどれだけ遺伝子導入されているか明らかになった細胞で実験を進めることが出来る。標的細胞としてもともとPD-L1陰性の細胞株にPD-L1を遺伝子導入して準備する。これを用いてin vitro/ in vivoの実験を進める。 2.CTLA-4 knock-out (KO) Tリンパ球の開発 現在行っている実験において遺伝子KO効率が十分高いことが分かれば、その上でそれらの細胞を用いてin vitro/ in vivoの実験を進める。具体的には繰り返し刺激後の反応の減弱の有無について検討する。
|
Causes of Carryover |
PD-L1-CSRの遺伝子導入に加えて、T細胞レセプター(TCR)あるいはキメラ抗原レセプターとの併用において、シグナルを検討する予定としていたが、TCRの遺伝子導入がなかなか進捗しなかったことから、以降の実験に用いるために予定していた抗体や関連の試薬費用が次年度へと持ち越しとなった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
キメラ抗原レセプター遺伝子の遺伝子導入との組み合わせにおいてPD-L1-CSRを検討することにしたため、遺伝子導入効率や遺伝子導入の効果について以降の実験で検討するため予定していた抗体や関連の試薬費用として使用する予定である。
|
Research Products
(16 results)
-
[Journal Article] Comparison of Outcomes of 8/8 and 7/8 Allele-Matched Unrelated Bone Marrow Transplantation and Single-Unit Cord Blood Transplantation in Adults with Acute Leukemia.2016
Author(s)
Terakura S, Atsuta Y, Tsukada N, Kobayashi T, Tanaka M, Kanda J, Najima Y, Fukuda T, Uchida N, Takahashi S, Nagamura-Inoue T, Morishima Y, Miyamura
-
Journal Title
Biol Blood Marrow Transplant.
Volume: 22
Pages: 330-338
DOI
Peer Reviewed
-
[Journal Article] Integration of humoral and cellular HLA-specific immune responses in cord blood allograft rejection.2015
Author(s)
Hanajiri R, Murata M, Sugimoto K, Murase M, Sakemura R, Goto T, Watanabe K, Imahashi N, Terakura S, Ohashi H, Akatsuka Y, Kurahashi S, Miyamura K, Kiyoi H, Nishida T, Naoe T
-
Journal Title
Bone Marrow Transplant.
Volume: 50
Pages: 1187-1194
DOI
Peer Reviewed
-
-
[Journal Article] Chimerism status after unrelated donor bone marrow transplantation with fludarabine-melphalan conditioning is affected by the melphalan dose and is predictive of relapse.2015
Author(s)
Imahashi N, Ohashi H, Terakura S, Miyao K, Sakemura R, Kato T, Sawa M, Yokohata E, Kurahashi S, Ozawa Y, Nishida T, Kiyoi H, Watamoto K, Kohno A, Kasai M, Kato C, Iida H, Naoe T, Miyamura K, Murata M
-
Journal Title
Ann Hematol.
Volume: 94
Pages: 1139-1148
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
[Presentation] Adoptive transfer of WT1-specific TCR gene-transduced lymphocytes in patients with myelodysplastic syndrome and acute myeloid leukemia.2015
Author(s)
Tawara I, Masuya M, Kageyama S, Nishida T, Terakura S, Murata M, Fujiwara H, Akatsuka Y, Ikeda H, Miyahara Y, Tomura D, Nukaya I, Takesako K, Emi N, Yasukawa M, Katayama N, Shiku H.
Organizer
57th ASH Annual Meeting and Exposition
Place of Presentation
Orlando, USA
Year and Date
2015-12-05 – 2015-12-08
Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-
-
-