2015 Fiscal Year Research-status Report
ヒト樹状細胞によるナイーブヘルパーT細胞の活性化・分化誘導機序の解明
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15K09509
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
永井 太朗 東京医科大学, 医学部, 講師 (60747674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秦 喜久美 東京医科大学, 医学部, 講師 (30287156)
善本 隆之 東京医科大学, 医学部, 教授 (80202406)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Dendritic Cells / Cytokine / IL-12 / IL-23 / IL-27 / naive Th Cells |
Outline of Annual Research Achievements |
分離したMonocytes、これから誘導したImmature Dendritic Cells(imDC)とMature Dendritic Cells(mDC)の表面マーカーの解析を行い、これらを確かに分離かつ誘導できたことを確認した。 mDCをCD40Lにプラスして様々なCytokineの組み合わせで刺激し、mDCからのCytokine産生をELISA法にて測定した。 『IL-12産生はIFN-gで増強される。これにIL-4and/orIL-13を加えるとさらに増強される。』ことはわかっていたが、今回の研究で『IL-4orIL-13単独でも増強される』と『IL-10はこれらの増強を強力に抑制する』ことが明らかになった。また、IL-6産生に対しては、これらのサイトカインは影響なさそうであることもわかった。 IL-23とIL-27の産生に対しこれら4種のサイトカインは、『IL-23産生に抑制的に働き、IL-27産生には影響ない。』という結果だった。これは、私が米国で得た結果『IFN-gはIL-23産生もIL-27産生も増強する。IL-4orIL-10orIL-13の添加はこのIL-23産生増強を抑制するが、IL-27産生には影響を及ばさない。』と大きく異なっている。人種の違いだろうか?これからの研究課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究開始初期では、mDCのCytokine産生パターンは予想された範囲内であった。ところが、途中から、実験方法は同じなのに、今まで認められていたmDCからのIL-12p70産生が認められなくなってしまった。その他のIL-6/IL-23/IL-27の産生に大きな変化はなかった。この原因が『血液提供者の違いではない。培養プレートの違いだろう。』とわかるまで数ヶ月を要してしまった。このため、研究の遅れが生じてしまった。 しかしながら、本研究の目的は『mDCのCytokine産生を調整することによって、mDCによって誘導されるHelper T Cellsの亜集団を調整する』なので、IL-12p70を産生しない(Th1に分化させない)mDCの作製も重要である。この観点からすると、このトラブルにはメリットもあると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
刺激を様々に変えることでmDCからのサイトカイン産生を調節し、naive Th Cellsの分化増殖の調節へとつなげていきたい。これができれば、Th1/Th2/Treg/Th17/TregといったHelper T Cellsの亜集団の誘導を個々の状況に応じて調節でき、臨床的にも大きく役立つと思われる。 また、上記のIL-12p70を産生しないmDCがどうして誘導できたのか、本当に培養プレートの問題なのか(培養プレートの作製企業が違うだけで、材質は同じである。)、様々な角度から検討していく。
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Causes of Carryover |
研究初年度のため、試薬など用意しなければならない物品が多くあった。これらの購入を問題なく行うため50万円を前倒し請求して受領したが、実際には約10万円で収まった。よって、次年度に約40万円の繰り越しとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実際には次年度使用額が10万円減っただけであり、使用計画の再立案は不用である。
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