2015 Fiscal Year Research-status Report
S1P受容体アンタゴニストとIL-2・抗IL-2免疫複合体による関節リウマチ治療
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15K09538
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
佐野 統 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (00196304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 剛 兵庫医療大学, 薬学部, 教授 (10151721)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | FTY720 / IL-2 / 関節リウマチ / S1P 受容体 / Treg / SKGマウス / コラーゲン関節炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
S1P受容体アンタゴニストとIL-2/IL-2抗体免疫複合体の併用投与による新規RA治療法の開発を検討している。今回、DBA/1マウスにⅡ型コラーゲンとComplete Adjuvant Freundをエマルジョンにして尾根部に皮下注射し一次免疫を行った。一次免疫21日後に、Ⅱ型コラーゲンとIncomplete Adjuvant Freundを同様にエマルジョンにして皮下注射し二次免疫を行い、関節炎を誘導した。マウスrecombinant IL-2(1μg)と抗マウスIL-2抗体(JES-6.1:5μg)を15分間 試験管内で反応させ、IL-2ICを作成し投与した。実験群は1)コントロール群(PBS投与群)、2)IL-2IC投与群に分けた。PBSとIL-2ICの投与は一次免疫後投与する群と二次免疫後に投与する群に分け、3日間連続腹腔内投与を行った。RAの治療効果は、関節腫脹スコアと病理組織学的解析で評価した。病理組織学的解析は手関節をHE染色ならびにIL-6、IL-17、TNFαで免疫染色し、評価した。Tregの解析は治療後末梢血、脾臓、ならびにリンパ節を関連抗体によるで多重染色しフローサイトメトリーにて解析した。 その結果、IL-2IC投与1週間後の末梢血中のCD4+CD25+Foxp3+Tregの割合は、コントロールPBS投与群の約2倍に増加していた。関節腫脹スコアはIL-2ICを一次免疫後投与した群、二次免疫後投与した群、いずれにおいても、PBS群と比較して優位に抑制できていた。また、病理組織学的所見でも、HE染色ではPBS投与群と比較してIL-2IC投与群で優位に関節組織へのリンパ球浸潤が抑制できていた。免疫染色ではIL-6、IL-17、TNFαの発現はIL-2IC群で抑制されていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記のように、関節炎のモデルマウスにS1P受容体アンタゴニストとIL-2/IL-2抗体免疫複合体の併用投与し、関節炎の抑制効果とその機序について、研究を行い成果が出てきつつある。一部は学会で発表している。今後、さらにその成果を発展させるため研究を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
IL-2IC投与により、発症前後の両時期に治療を開始してもCIA関節炎の制御が可能であることが明らかとなった。また病理学的解析においても、関節組織における炎症細胞浸潤を抑制できており、関節腔内でのTregの増加の可能性も考えられた。現在、CTLA-4やIL-17等の細胞内サイトカインの評価やIL-2ICにより増加したTreg の免疫制御機能について検討する予定にしている。
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Causes of Carryover |
研究分担者の分担金の使用額が予定より少なかった。次年度の研究に必要な抗体などの実験試薬費に合わせて使用する予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
関節炎のモデルマウスの血液や関節局所の病変の改善について、サイトカインの抗体や血球の同定に使う抗体などに使用する予定である。
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Research Products
(3 results)