2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K09545
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
坊垣 暁之 北海道大学, 医学研究科, 助教 (50431367)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 自然免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
健常者由来の末梢血単球(CD14+細胞)をneutrophil extracellular traps (NETs)存在下に培養することにより一部細胞塊形成を伴う細胞増殖が認められた。NETs誘導の際にPMAを用いているが、NETs共培養で認められた一部細胞塊形成を伴う細胞増殖は、PMA単独で刺激培養を行った際には認められなかった。CD14+細胞分化のコントロールとしてGM-CSF、インターロイキン4、TNFaにより樹状細胞を誘導しているが、樹状細胞で認められる細胞塊よりも小型であった。フローサイトメーターを用いた解析により細胞表面にCD14、CD11c、HLA-DRの発現が認められた。樹状細胞で認められるCD1aの発現は認められず、M1マクロファージで認められるCD80の発現も認められなかった。M2マクロファージに認められるCD163についても発現はほとんど認められなかった。また、サイトカイン産生能については、リアルタイムPCRを用いたmRNAの発現レベル解析でI型インターフェロン(IFN-a、IFNb)のmRNAの発現亢進を確認した。NETsと共培養したCD14+細胞のサイトカイン発現についてをウェスタンブロット法でタンパクレベルでの確認を行ったところ、IFN-aの発現は確認できなかったが、IFN-bの発現が認められた。抗IFN-a抗体、抗IFN-b抗体を複数検討したところ抗体間で結果が異なっており、培養期間の変更等細胞の分化度を考えた検討が必要と考えている。I型インターフェロン(IFN-a、IFNb)の発現確認については、フローサイトメーターを用いた細胞内染色も行ったが弱い発現が認められる場合と検出できない場合があった。Toll like receptor (TLR)の発現について、RT-PCR法でmRNAレベルでの検討を行い、TLR7の発現亢進が示唆されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
NETsとの共培養により末梢血単球(CD14+)は、mRNAレベルにおいてI型インターフェロン(IFN-a、IFNb)の産生亢進を来しうることが実験結果として得られているが、タンパクレベルにおいては抗体間において結果が異なっていた。原因として、細胞の分化段階に加えて、I型インターフェロン(IFN-a、IFNb)の検出感度の問題が考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
NETsと共培養を行った末梢血単球(CD14+)において、I型インターフェロン(IFN-a、IFNb)の発現をタンパクレベルで確認するためにウェスタンブロット法よりも感度が高いと考えられるELISA法による検出を予定している。ELISA法で確認が出来れば患者検体を用いた検討を行う予定である。同時に、NETsと共培養下におけるCD14+細胞の細胞表面マーカー、TLR発現レベルについて検討を継続する予定である。
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Research Products
(3 results)