2017 Fiscal Year Annual Research Report
Research for anti-inflammatory therapeutic strategy against pulmonary fibrosis
Project/Area Number |
15K09546
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
久田 剛志 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (10344938)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 肺線維症 / 脂質メディエーター / resolvin / 炎症収束 / 動物モデル / ω-3脂肪酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、平成27年度および28年度の成果をさらに発展させるための研究を進めた。ブレオマイシン(BLM)誘発肺線維症モデルを作製し17(R)-ResolvinD1(以下、RvD1と略す)の効果を解析し検討した。RvD1が本肺線維症モデルに線維化抑制効果を示すこと、レセプターと考えられているALX/FPR2を介して作用すること、BLMにより惹起された好中球浸潤や炎症性サイトカインの産生増加等の急性炎症の収束を促進しつつ肺線維化形成の抑制に寄与することを示唆する結果が得られた。また、一度形成された線維化病変が改善されたことを示す結果も得られ、RvD1投与後の、肺組織中のMMP-9の有意な改善及びTIMP-1の低下傾向を確認した。成果を論文化して米国生理学会誌に掲載することができた。平成29年度は、RvD1の抗線維化作用のメカニズムをさらに追求することを目標として、in vitroの実験を進めた。肺線維症の進行に関与するとされる転写因子に関しての研究を行った。IL-1βやIL-4は,Fos/AP-1に調節される線維化形成因子であり,RvD1はFos/AP-1を含むシグナル経路を介して線維化抑制に寄与する可能性を示唆する結果が得られた。抗炎症作用を持つresolvinは、肺線維症に対する新しい治療に結びつく可能性を持った脂質メディエーターであり、さらに応用していくことで有用な治療戦略となり得るものと思われた。 細胞外pHを感知するプロトン感知性G蛋白共役受容体がpH微小環境のセンサーとして肺線維症の発症、進展に重要な関与をしているか否かを実証するための研究は、現在進行中である。肺の炎症性疾患である喘息の動物実験モデルにおいては、OGR1ファミリー欠損マウスを使って研究成果を発表済みであるが、本研究期間内では、肺線維症に関しての成果はまだまとまっていないため、今後も検討していく。
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[Presentation] Absence of proton-sensing TDAG8 protects against ovalbumin-induced allergic airway inflammation2017
Author(s)
Hiroaki Tsurumaki, Chihiro Mogi, Haruka Saito-Aoki, Koichi Sato, Takashi Nakakura, Masakiyo Yatomi, Yasuhiko Koga, Yoshimasa Hachisu, Akihiro Ono, Kunio Dobashi, Fumikazu Okajima, Takeshi Hisada
Organizer
ERS International Congress 2017, Milan, Italy
Int'l Joint Research
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