2016 Fiscal Year Research-status Report
気管支喘息モデルにおけるshRNA導入樹状細胞を用いた免疫療法の開発
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15K09547
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小屋 俊之 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (90444158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂上 拓郎 新潟大学, 医歯学系, 助教 (00444159)
長谷川 隆志 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (90361906)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 骨髄樹状細胞 / 遺伝子導入 / 喘息モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
当初は3つの実験計画の柱を立て、推進する計画であった。 1.骨髄由来の樹状細胞へのshRNAの導入→当初はマウスより骨髄細胞を採取し、GM-CSFとIL-4を使って、樹状細胞を作成し、shRNA (Santa Cruz biotechnology社のshRNAレンチウィルス発現システム)をトランスフェクションする予定であったが、遺伝子の導入効率は10%程度であり、トランスフェクションされた細胞をセレクションしている段階で骨髄樹状細胞の増殖が止まるため、shRNAの導入は成功しなかった。次に樹状細胞株 DC2.4を使ってshRNAの導入を試みた。幾つかの条件を設定したのち、GFPを使った導入は効率良くトランスフェクションが可能となった。しかしcd80や86をターゲットにした場合には明らかなCD80, 86発現の低下を認めることはなかった。これはもともとDC2.4のCD80, 86の発現が低発現であることが考えられる。DC2.4自体は抗原提示能は存在しており、ナイーブCD4 T細胞との共培養で、抗原特異的Th2細胞を作成することができる。現在はCD80, 86よりPD-L1, PD-L2をターゲットにし、これらをDC2.4にトランスフェクションすることにより、よりtoleragicな樹状細胞を作成し、Tregを有意に誘導できるシステムを目標にしている。 2. shRNA導入した樹状細胞とT細胞のin vitroでの培養とその解析→上述したように目的する分子を標的とした樹状細胞を作成できていないので、トランスフェクションによって機能改変できた樹状細胞との比較はできていない。今後の研究によりその部分を解析する予定である。
3.導入した樹状細胞を使って喘息モデルへの応用、免疫療法への誘導→この部分に関しては進んでいない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
まず実験系の確立に時間を要した。骨髄樹状細胞を使用した実験系からcell lineを使用した実験系に移行がスムーズでなく、培養に手間取った。 実験を専属に行う大学院生、実験補助員の確保もままならない時期もあり、人的要素もあったが、これに関しては解消されてきている。
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Strategy for Future Research Activity |
まずcell line (DC2.4)を使用した機能改変樹状細胞を作成することが急務であるが、これに関しては作成目処が立っており、計画に沿って進める。 その樹状細胞とのin vitroの培養実験と喘息モデルマウスへの移入実験は同時進行で行う予定である。マウスモデルはすでに確立されたモデルがいくつかあるため、一番適したモデルを使って、治療モデルを作成する予定です。 最終年度になるので、結果を得るために、実験スケジュールを詰める必要があり、若干予算的に困窮する可能性があるが、試薬の共用したり、実験動物の適正使用を遵守することにより、進めて行く予定である。
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Causes of Carryover |
実験用途で使用したが、少額の残余がでたため、翌年に繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度と合わせて、実験消耗品として使用する予定である。
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