2016 Fiscal Year Research-status Report
中枢神経ループスにおける脳血液関門障害の機序の解析
Project/Area Number |
15K09556
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
廣畑 俊成 北里大学, 医学部, 教授 (90189895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 立夫 北里大学, 医学部, 講師 (60365947)
小川 英佑 北里大学, 医学部, 助教 (30525423)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 中枢神経ループス / 脳血液関門 / 抗Sm抗体 / 補体第5成分 / ループス腎炎 / 脳MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年度は、まず、中枢神経ループスについて、特にその重症病型であるacute confusional stateにおいては、髄液中のみならず血清中でもC5aの上昇が見られるが、この上昇がループス腎炎とは異なる機序によって起こっていることを証明した。すなわち、ループス腎炎においては血清中のC3, C4及びCH50の低下が見られるのに対して、中枢神経ループスではこれが見られない。したがって、中枢神経ループスにおいては補体の古典的経路や副経路の活性化とは異なる機序で血清C5aの増加をきたしていることが明らかになった。その一つの可能性として、種々の自己抗体が関与する可能性を突き止めた。この点については今後もさらに検討してゆく予定である。 一方、中枢神経ループスのacute confusional stateにおいては、MRIの異常が約50%に見られることを明らかにした。このMRIの異常は、抗リン脂質抗体や抗DNA抗体とは相関しておらず、抗Sm抗体と有意に相関していた。さらにMRIの異常の存在は患者の死亡を有意に増加させることを明らかにした。また、血清中の抗Sm抗体や血清IL-6もAcute confusional stateの患者の死亡率を上昇させることを証明した。MRIの異常の存在は脳血液関門の障害の存在を示唆することより、抗Sm抗体が脳血液関門の破壊にも関与する可能性が示唆された。次年度は抗Sm抗体が脳血液関門の破壊にいかに関わるかについて、特にC5aの産生との関係についても注目し、詳細に検討してゆく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、中枢神経ループスにおいて、脳血液関門の障害において血清抗Sm抗体が関与している可能性があることを突き止めることができたため。また、中枢神経ループスでは血清C5aの上昇がループス腎炎と異なる機序で生じる可能性を突き止めたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究成果をうけて、次年度は、最終年度として、中枢神経ループスにおけるC5aの上昇の機序について、抗Sm抗体の果たす役割を解析するという明確な目的の設定ができた。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Infliximab therapy for intestinal, neurological, and vascular involvement in Behcet disease: Efficacy, safety, and pharmacokinetics in a multicenter, prospective, open-label, single-arm phase 3 study.2016
Author(s)
Hibi T, Hirohata S, Kikuchi H, Tateishi U, Sato N, Ozaki K, Kondo K, Ishigatsubo Y.
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Journal Title
Medicine (Baltimore)
Volume: 95
Pages: e3863
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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