2016 Fiscal Year Research-status Report
肺局所制御性B細胞の新規同定と慢性気道炎症抑制機構解明の基盤研究
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15K09559
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
川山 智隆 久留米大学, 医学部, 教授 (80289389)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 制御性B細胞 / インターロイキン10 |
Outline of Annual Research Achievements |
「研究目的」ヒト末梢血制御性B細胞(Bregs)分画を明らかにする。 「研究方法」健常人(ボランティア)5名の末梢血単核球を用いてヒト末梢血制御性B細胞(Bregs)分画の検出を試みた。 「研究結果」Bregs分画は(IL-10産生細胞/CD19陽性細胞)、何も刺激無しの条件下(natural)では、0.3%未満であり、検出は困難であった。しかしながら、リンパ球刺激物質であるCPG(ODN2006)の刺激(0.03mclM, 0.1mclM, 0.3mclM, 1.0mclMおよひ3.0mclMの5段階)下で、コントロール群をODN2006コントロールとして使用した場合に、24時間、48時間および72時間後のBregs分画は、ODN2006刺激濃度非依存的で、1.2%程度てあった。また、24時間後が、他の48時間および72時間後に比較して、検出率は高く、ODN2006刺激は24時間以内が良好であると判明した。さらに、PMAおよびカルシウム・イオノファー(Ionomycin)刺激下(6時間培養後)では、Bregs分画は1.8%程度であることが解った。 「考察」ODN2006の刺激では24時間以降、Bregsの検出率は徐々に低下することを見出した。また、PMAおよびIonomycin刺激下が最も効率にBregsを検出できると考えられた。いずれにしてもBregsは末梢血には少ない割合でしか存在しないと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
健常人の末梢血におけるBregsの検出法を確立した。ただしこの時点では疾患群との比較をある程度まで行っている予定であったが、行えていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、被験者を気管支ぜん息患者あるいは慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者にして、Bregs分画について比較検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究計画が若干遅れたため、実験試薬の購入が予定より低額になってしまった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に持ち越して、研究計画が予定通り終了するように試薬などの購入に予算をあてる予定である。
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