2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K09560
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
松本 健治 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 免疫アレルギー・感染研究部, 部長 (60181765)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 好酸球 / 組織リモデリング / プロテアーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
私達はアレルギー性炎症において重要な役割を演じる好酸球がPRSS33(Protease, serine, 33)を特異的かつ恒常的に発現することを見いだした。本研究はこのPRSS33に関して、recombinant PRSS33タンパクを用いたin vitro解析と、CRISPR/Cas9システムによるPRSS33ノックアウトマウスを用いたin vivo解析を行い、好酸球の全く新たな機能を明らかにすることを目的としている。 初年度はバキュロウイルス系を用いて作成したrecombinant PRSS33(rPRSS33)タンパクを用いて各種気道構成細胞に与える影響を検討し、rPRSS33が線維芽細胞におけるextracellular matrix proteinのmRNA発現をプロテアーゼ活性依存的に増強する事を見いだした。 第2年度である本年度は、経気道的にProtease抗原であるpapainを3日間連続投与して惹起されるIL-33依存性の好酸球性炎症を用いて、PRSS33ノックアウトマウス(PRSS33 KO)の好酸球の遊走、生存などを確認した。その結果、Wild typeの場合と全く同様の好酸球の組織内浸潤と生存延長がPRSS33 KOにおいても認められた。このことから、PRSS33 KOの好酸球の脱顆粒以外の機能がWTと同等であることが強く示唆された。最終年度である平成29年度に向けて、好酸球の活性化によって惹起されると考えられるダニ抗原の長期吸入(週5日x 6週間)による組織リモデリングモデルを樹立した。来年度はこのモデルを用いて、好酸球のPRSS33の機能を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度はrecombinant PRSS33タンパクを用いたin vitroの機能解析を行った。また、CRISPR/Cas9システムを用いて、PRSS33ノックアウトマウスを作成した。 第2年度である本年度はPRSS33ノックアウトマウスの好酸球機能をin vivoで確認した。また、好酸球依存的に気道リモデリングを惹起するダニ抗原長期吸入モデルを樹立した。最終年度である来年度にこのモデルを用いてPRSS33の機能を解析する予定である。 これらは全て、当初の研究計画通りの進捗である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画通り、次年度にはPRSS33ノックアウトマウスを用いたin vivo解析を行う。特にPRSS33が発現する好酸球が病態に関与するモデルとして、ダニ抗原の6週間吸入モデルを想定してる。予備検討にて、ダニ抗原の6週間吸入モデルでは気管支肺胞洗浄液中に好酸球が多数浸潤し、かつ気道壁の著しい線維化が認められている。
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