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2016 Fiscal Year Research-status Report

新規治療開始HIV感染症患者の免疫系の活性化と骨密度低下の機序の解明

Research Project

Project/Area Number 15K09582
Research InstitutionTeikyo University

Principal Investigator

太田 康男  帝京大学, 医学部, 教授 (80292936)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
KeywordsHIV / cART / 骨密度
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、基礎的・臨床的アプローチの両面から、cART導入早期の免疫系、特に単球・マクロファージやTリンパ球の活性化と骨密度の変化を検討し、骨密度の変化に関連する因子を解析することで、その分子機序を解明することを目的としている。平成28年度は、新規にcARTを導入した患者(新規治療群)2例とcART開始後1年以上経過し、HIV RNA量が検出感度以下の症例(既治療群)20例の解析を行った。既治療群では目標症例数の解析ができたが、新規患者数が少なかったため、新規治療群の目標症例数は確保できなかった。
新規治療群では、症例数が少ないため有意な結果は導けないが、約1年間の推移で、リンパ球サブセットを用いた解析では、CD4陽性細胞数の増多を認めた。しかしながら、単球・マクロファージ系に有意な変化は見られなかった。またHIV RNA量は検出感度以下まで低下した。DXA(Dual-energy X-ray Absorption)を用い腰椎および両側大腿骨頸部の骨密度の測定では、2症例すべてで両部位の骨密度の低下を認めた。一方既治療群では、全例でリンパ球サブセットの有意な変化は認めず、HIV RNA量は検出感度以下のまま推移した。約1年間の推移で、腰椎および両側大腿骨頸部の骨密度の変化は認めなかった。
現在解析の途中経過ながら、cART導入初期には、骨密度の低下が認められるが、cART導入1年以上経過し治療経過が良好な症例では、骨密度はほとんど変化しない可能性が指摘できる。ただし、現時点で得られているデータからは、免疫学的変動と骨密度の変化は不明である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成28年度は、エントリーできた症例に対しては、解析をほぼ行うことができた。その結果、確定的ではないが、新規治療群と既治療群の骨密度の推移の傾向をつかむことができた。
新規患者については、何名確保できるかは予測不可能であり、平成28年度の検討症例数は少なかったが、平成28年度後半から患者数が増加しており、平成28年度はより多くの症例がエントリーできる見込みである。

Strategy for Future Research Activity

29年度は特に新規治療群の症例をさらにエントリーし、今年度と同様の解析を行う。本研究は、基礎的・臨床的アプローチの両面から、cART導入早期の免疫系、特に単球・マクロファージやTリンパ球の活性化と骨密度の変化を検討し、骨密度の変化に関連する因子を解析することで、その分子機序を解明することを目的としている。現時点では、骨密度の変化の傾向は明らかになりつつあるが、免疫学的な面では有意なものを明らかにできていない。新規症例数が十分に解析されていないことも一因である可能性があるため、さらに症例を加えた上で、一定の結論を導きたいと考えている。
最終的には、骨密度低下と関連のある指標を、統計学的に解析し、関連のある因子が同定された場合、最も骨密度低下を予測する指標の組合せを検討する。また骨密度低下との関連のある指標の中から最適な組合せを選択し、予知マーカーを確立し、HIV患者のQOLの向上に寄与したい。

Causes of Carryover

平成28年度末で繰越金が発生しているが、28年度の単年度でみると繰越金額は少ない。繰越金の多くは、平成27年度に要因がある。新規治療患者のエントリー症例が、目標値に到達していない点が最大の理由である。

Expenditure Plan for Carryover Budget

元来平成29年度の予算金額は少なく、今後基礎的検討をさらに行うことを予定しているので、平成38年度に繰り越し金を含め、全額必要である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2016

All Journal Article (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] Decreased serum bone specific alkaline phosphatase and increased urinary N-terminal telopeptide of type I collagen as prognostic markers for bone mineral density loss in HIV patients on cART.2016

    • Author(s)
      Koga I, Seo K, Yoshino Y, Kitazawa T, Kurahashi I, Ota Y.
    • Journal Title

      J Infect Chemother.

      Volume: 22 Pages: 543-547

    • DOI

      10.1016/j.jiac.2016.05.005

    • Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2018-01-16  

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