2016 Fiscal Year Research-status Report
情報基盤定量プロテオミクス法を用いたブドウ球菌薬剤耐性因子のプロテオーム定量解析
Project/Area Number |
15K09586
|
Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
金本 大成 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (20260755)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 大輔 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (10423485)
有戸 光美 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (00509911)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | プロテオミクス / 黄色ブドウ球菌 / MRSA / 質量分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は高濃度の抗菌薬が存在する環境下でメチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) のプロテオームがどのように変化するかをターゲット・プロテオミクスの手法で短時間、高精度に解析することを目指している。この解析手法では事前に解析対象のタンパクの質量分析情報を取得しておく必要がある。そのためにMRSAが発現する可能性のあるタンパクのライブラリーを作成する必要がある。MRSAには約2600のOpen reading frameが存在するが、そのすべてを解析の対象とするのは、本研究の限られたリソースの中では現実的ではない。前年度にMRSAであるStaphylococcus aureus JCM8702において、βラクタム系抗菌薬であるオキサシリンによって2次元電気泳動像上で1.5倍以上大きく変動するタンパクスポット46個のうち7個を質量分析によって同定した。そこでその結果を踏まえて今年度は、既に全遺伝子配列が公表されているS. aureus N315株の遺伝子配列を元に、同定された7個のタンパクをコードしている遺伝子とそのホモログ、さらに抗菌活性や基礎的な代謝に関与していると考えられる約200の遺伝子を対象と定め、遺伝子クローニングを行ってきた。これまでにMRSAの4個の遺伝子をクローニングし、大腸菌の系でタンパクを発現させて精製した。この組換えタンパクをターゲット・プロテオミクスの際の内部標準として用いるために質量分析器による解析を行って当該タンパクの同定の際に必要なMassプロファイルの事前情報を得た。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
クローニングの対象とした遺伝子周辺の塩基配列の特殊性も影響して、想定以上にクローニングが難航している。また、H29年4月から研究代表者が所属機関を異動することがH28年12月に決定し、研究室移動のため多忙となったこともあって、現時点でタンパク精製まで終了したのは4個しかない。
|
Strategy for Future Research Activity |
継続して可及的に網羅的にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌の遺伝子ライブラリーと組換えタンパクライブラリーの作成を行う。ある程度の数の組換えタンパクが作成できたら、その都度、質量分析計で解析を行って対象のタンパクを高感度に検出可能なプローブ配列を選定する。
|
Causes of Carryover |
研究の進捗が計画より遅れているために消耗品の消費が少なかった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
H29年度に物品費として使用する。
|