2017 Fiscal Year Annual Research Report
Clinical and molecular genetic study of elucidation of a cause of Moebius syndrome
Project/Area Number |
15K09607
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
升野 光雄 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (00389024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒澤 健司 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), 臨床研究所, 部門長 (20277031)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | メビウス症候群 / ゲノム解析 / 病因 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.メビウス症候群不全型の中枢神経画像を含めた臨床像の確立 メビウス症候群は先天性・非進行性顔面神経麻痺および先天性・非進行性外転神経麻痺(片側性も含む)を特徴とし,他の脳神経麻痺を伴うこともある。メビウス症候群不全型 (incomplete form)とは外転神経麻痺を伴わない以外,メビウス症候群と類似の所見を示す症候群と定義し,両側顔面神経麻痺を呈する4例の臨床像,中枢画像所見を明らかにしてきた。平成29年度の追加症例の集積はなかった。4例の臨床像,中枢画像所見を論文化の予定である。
2.全エクソーム解析によるメビウス症候群の候補責任遺伝子同定 (1)本研究開始までにゲノム解析(マイクロアレイCGH解析,52候補遺伝子ターゲットシークエンス解析)を終了したメビウス症候群典型例19例はすべて弧発例である。平成29年度は,典型例2例(トリオ解析2家系)のうち1例に全エクソーム解析を終え,1例は解析中である。現在までに全エクソーム解析をメビウス症候群典型例9例(トリオ解析6家系を含む)に行ったが,責任遺伝子同定には至っていない。 (2)平成27年度は,単胎のメビウス症候群不全型2例のマイクロアレイCGH解析,52候補遺伝子ターゲットシークエンス解析では異常を認めなかった。平成28年度は,全エクソーム解析をメビウス症候群不全型(単胎)2例を含む非典型例7例(トリオ解析4家系を含む)に行ったが,責任遺伝子同定には至っていない。平成29年度は,研究分担者以外の施設の非典型例2例にメディカルエクソーム解析を行い,各々にTUBB3既報告変異とCHD7未報告変異を検出した。特にTUBB3既報告変異例は,顔面神経麻痺と眼球運動障害を伴い,臨床的にメビウス症候群と類似しており,鑑別診断上重要であることが確認された。
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