2015 Fiscal Year Research-status Report
精巣分化におけるエピジェネティックな分子制御機構の解明と再生医療への応用
Project/Area Number |
15K09615
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
鹿島田 健一 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (80451938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森尾 友宏 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30239628)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 性分化 / エピジェネティックス / セルトリ細胞 / 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、精巣体細胞(セルトリ細胞)分化におけるepigeneticな分子制御機構の解明を目的とし、さらには幹細胞(ES細胞)から性腺細胞の作製法の開発および性腺機能不全患者における臨床応用を行なうことを最終目標として行っている。(1)精巣セルトリ細胞分化に必須な転写因子、Ad4Bp/Sf1、Sox9が及ぼすepigeneticな制御、特にDNAの脱メチル化酵素であるTet1, 2, 3の転写制御機構の解明 (2)精巣セルトリ細胞分化におけるDNA脱メチル化酵素、Tet1,2,3 が果たす分子機構の解明 (3)ES細胞に、Ad4Bp/Sf1、Sox9、GATA4などセルトリ様細胞分化に必要といわれている因子に加え、Tet1,2,3を導入し、セルトリ細胞を分化誘導、作成する。 本研究の特色としては以下のことが挙げられる。 細胞分化とその制御機構の解明において、エピジェネティックな変化に必須な分子の転写制御が、その細胞分化に必須な転写因子によって直接制御されるという点に着目した研究報告は殆どなく、本研究はその点において先進的かつ独創的であると言える。さらに本研究は、エピジェネティック制御の細胞分化への重要性をセルトリ細胞において明らかにすることを当初の目的とするが、本研究で得られた知見は、全ての細胞の分化における普遍的な機構を解明する契機となる可能性がある。その意味において本研究が今後細胞分化のパラダイムを変え得る大きな転換点となる可能性があり、今後の再生医療に大きく寄与する可能性があると考えている。現在Tet1,2,3以外にも、エピジェネティクスの制御に関わる分子と、精巣特異的転写因子であるSox9との関連について網羅的に解析を行っている
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在Tet1,2,3についてはin vitroにおける検討を重ね、その機構についての解明を試みているところである。 それ以外にもエピジェネティクスに関わる機構(ヒストンのメチル化、アセチル化、シトルリン化など)も知られており、そうした機構を制御する分子の精巣内での発現のパターンや、Sox9による調節の有無などについても合わせて検討を行っている。現在いくつかの候補分子を挙げており、今後はそうした分子についても検討を加えて行きたい。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは分子レベルでのSox9やSF1など精巣分化に特異的に必要な分子によって制御を受ける分子の同定、その確認をin vitroで行うとともに、精巣におけるヒストンの修飾を蛋白レベルでの確認(Western Blottingなどによる)やDNAメチル化の状況についてin vivoにおいて確認をしていく。 また重要であると思われる分子については、ノックアウトマウスの作製により、精巣の表現型を確認するなど、in vivoにおける機構について検討を加える
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Causes of Carryover |
本来予定していた人件費が、採用の遅れなどから、使われなかったためです。2年目以降、必要に応じて採用をしていく予定です。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残金は比較的少額ですので、余剰分については、実験用の消耗品購入にあてていく予定です。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] TALEN-Mediated Gene Disruption on Y Chromosome Reveals Critical Role of EIF2S3Y in Mouse Spermatogenesis.2015
Author(s)
Matsubara Y, Kato T, Kashimada K, Tanaka H, Zhi Z, Ichinose S, Mizutani S, Morio T, Chiba T, Ito Y, Saga Y, Takada S, Asahara H.
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Journal Title
Stem Cells Dev
Volume: 15
Pages: 1164-70
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] A 45,X/46,XY DSD (Disorder of Sexual Development) case with an extremely uneven distribution of 46,XY cells between lymphocytes and gonads.2015
Author(s)
Nomura R, Miyai K, Okada M, Kajiwara M, Ono M, Ogata T, Onishi I, Sato M, Sekine M, Akashi T, Mizutani S, Kashimada K.
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Journal Title
Clin Pediatr Endocrinol.
Volume: 24
Pages: 11-4
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] TALEN-Mediated Gene Disruption on Y Chromosome Reveals Critical Role of EIF2S3Y in Mouse Spermatogenesis.2015
Author(s)
Kenichi Kashimada, Yohei Matsubara, Tomoko Kato, Takashi Nakasuji, Hiromitsu Tanaka, Zhou Zhi, Shizuko Ichinose, Tomoki Chiba, Yoshiaki Ito, Yumiko Saga, Tomohiro Morio, Shuji Takada, Hiroshi Asahara.
Organizer
Germinal Stem Cell Biology, Gordon Research Conference
Place of Presentation
The Chinese University of Hong Kong,Hong Kong, China
Year and Date
2015-05-31 – 2015-05-31
Int'l Joint Research
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