2015 Fiscal Year Research-status Report
発達障害への包括的治療法によって母親養育レジリエンスは改善するか?
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15K09632
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
山下 裕史朗 久留米大学, 医学部, 教授 (90211630)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 発達障害 / ADHD / サマートリートメントプログラム / 養育レジリエンス / ペアレント・トレーニング / 包括的治療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.Summer Treatment Program(STP)実施:第11回くるめSTPを平成27年8月10~15日に久留米特別支援学校で実施し、小学校2~6年のADHD児童24名が参加。母親を対象としてSTP参加前、後、follow-upで養育レジリエンス尺度、POMS、うつ尺度、ストレス尺度(QRS)、Home Situation Questionnaire(HSQ)、ピッツバーグ睡眠質問紙、QOL評価(Kid-KINDL保護者版)の記入を実施。子どもの行動面の効果は、STPのポイントシステムによる毎日の個別行動獲得ポイントや行動目標達成度、保護者・子どもへの質問紙、PCを用いた認知機能・NIRS検査で行なった。またペアレント・トレーニング(PT)受講希望者には5日間連続の集中PTを行なった。 2.トリプルP実施:ADHDやASDの子どもをもつ母親を対象にトリプルPを実施した。9セッションのグループワーク前・中・後で養育レジリエンス尺度およびPS(Parenting Scale)、SDQ(Strengths and Difficulties Questionnaire)、DASS(Depression Anxiety Stress Scales)を行なった。またストレスの指標としてCortisol Awakening Response(CAR)測定目的の起床時および30分後の唾液を採取した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2つの研究のうち1がやや遅れているため。 1.STP実施後のデータ解析の遅れ:平成27年度の第11回くるめSTPを無事終了した。今回、久留米市の小学校夏期休暇短縮に伴い、くるめSTP実施期間が2週間から1週間に変更を余儀なくされたがプログラムを修正し、STP前・後・フォローアップの検査も計画通り実施した。データを既に入力しており、ADHDの行動評価および質問紙の結果解析は終了した。その結果、1週間STPにおいてもADHDの行動改善が認められた。母親養育レジリエンスの推移についての解析はこれからであり、当初の研究計画よりもやや遅れている。 2.トリプルPは、平成26年から開始しており、27年参加の母親合わせて54名のデータが集積されている。養育レジリエンス尺度の分析もすでに行なっており、当初の計画どおりの進捗状況である。PT終了時の母親養育レジリエンスの改善が認められている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の第12回STP実施に向けて、月1回のSTP実行委員会での話し合いを行い、8月12~16日実施に向けて準備中である。平成27年第11回STPの母親を対象とした質問紙および母親養育レジリエンス尺度の相関について統計解析を秋以降行なう。 トリプルPに関しては、さらに参加者を増やして養育レジリエンスの変化を検討する。養育レジリエンスの変化が9週間のセッションのどこであるのか、 レジリエンス改善に最も関係している因子PS、SDQ、DASS、唾液中CARとの相関を検討する。すでに終了した54名の結果について平成28年度日本LD学会で結果を報告予定である。
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Causes of Carryover |
予定していた旅費の支出が安価になったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品購入予定。
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Research Products
(8 results)