2017 Fiscal Year Annual Research Report
A search for known gene mutations in suspected monogenic diabetes.
Project/Area Number |
15K09636
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Research Institution | Osaka City General Hospital |
Principal Investigator |
依藤 亨 地方独立行政法人大阪市民病院機構大阪市立総合医療センター(臨床研究センター), 臨床研究センター, 部長 (60220779)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 遺伝子 / MODY |
Outline of Annual Research Achievements |
小児~若年成人を中心とした、若年発症優性遺伝性糖尿病(MODY)疑いの213家系について、既知の主要MODY遺伝子(HNF1A, HNF4A, HNF1B, GCK)についてSangerシーケンス、MLPA法、一部については次世代シーケンサを用いたターゲットリシーケンスを行い、103家系に遺伝子変異を同定した。同定された遺伝子変異は、GCK57家系、HNF1A29家系、HNF4A7家系、HNF1B10家系であった。糖尿病症状で発症した症例、学校検尿などで偶然発見された症例をともに含む集団であったが、偶然の高血糖で同定された家系ではGCK変異が最も多く、逆に糖尿病症状を呈して同定された群ではGCK変異は1例もなくHNF1A変異が最多であった。変異が同定された症例でも、家族歴のない例が18.4%、過体重が8.2%存在し、HOMA-IRでみたインスリン抵抗性(>2)を持つ例も22.7%存在した。従来のMODYの診断基準では診断できない症例が多数存在することが明らかになった。変異が同定されなかった症例は、同定された症例に比べて診断年齢が有意に高く、体重BMIパーセンタイルが有意に高く、若年発症2型糖尿病と同様の特徴を有していた。興味深いことに変異陰性例では糖尿病が母由来で遺伝する例が有意に多かった。この一群には非メンデル性遺伝が関与することを示唆していることを明らかにした。若年発症2型糖尿病の発症背景、遺伝背景は一般の2型糖尿病と一致するため、この成果は、遺伝子背景の同定が行き詰っている一般の成人2型糖尿病の発症機序にも一つの方向性を与えるものである。 さらに、本研究のターゲットリシーケンス過程で、KATPチャネル遺伝子変異をMODY様家系から、7例に同定した。これは、上記のHNF4Aに匹敵する頻度であり、KATPチャネル遺伝子変異が主要MODY遺伝子の一つであることを示唆した。
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