2016 Fiscal Year Research-status Report
Functional analysis of N-cadherin in leukemia microenvironment to develop a new drug for leukemia
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15K09649
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
岩本 彰太郎 三重大学, 医学系研究科, 助教 (20456734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 雅浩 三重大学, 医学系研究科, 教授 (90293795)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 小児白血病 / 白血病微小環境 / N-カドヘリン |
Outline of Annual Research Achievements |
白血病微小環境における「N-カドヘリン分子の役割を解析し、同分子の白血病薬剤感受性への影響について検討することを目的に研究を展開し、本年度は以下の結果を得た。 1)昨年(H27)度は、急性白血病細胞株と小児急性白血病細胞初発時検体でのN-カドヘリン分子の発現を確認した。本年度は、小児急性骨髄性白血病(AML)初発時15検体で同分子の発現をフローサイトメトリー法で測定することができた。CD34陽性CD38陰性芽球(いわゆるAML幹細胞)とそれ以外のサブセット間での同分子の発現の差を確認した。また、同分子の発現が、FAB分類と相関があるかもについても検討することができた。特にFAB分類のM3において同分子を発現するsubsetが多い傾向を認めた。 2)標的遺伝子改変細胞株(RNAiによるノックダウン法)を用いた実験では、BMSC (bone marrow stroma cell)株では1年間にわたる長期培養においても形態、細胞増殖速度及び標的分子発現に変化を認めなかった。但し、白血病細胞株(697)でのノックダウン遺伝子改変細胞株では、同分子の発現に変化を認めるため、段階希釈によるsingle cell sortingを実施した。 3)標的分子の発現の異なるBMSCと白血病細胞株を用いた共培養系に抗がん剤を投与した殺細胞実験(cytotoxicity assay)において、標的分子を発現している細胞間の共培養系がプレドニンに耐性を示した。他の抗がん剤については、来年度種類を増やし実施することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年同様にN-カドヘリン分子の恒常的強制発現細胞株(同分子未発現白血病細胞株へ同分子を導入した細胞株)を樹立することができなかったため、ウイルス高力価の調整液を作成している。そのため、同分子の強制発現細胞株を用いた、殺細胞実験、細胞周期への影響等を確認する実験が進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
1)N-カドヘリン未発現白血病細胞株への恒常的強制発現細胞株の樹立;前述のように感染ウイルス液の再調整を行い、細胞株の樹立を目指す。 2)殺細胞実験(cytotoxicity assay);すでに樹立したBMSC及び白血病細胞株との共培養系実験を用いて、標的分子の発現と白血病細胞株への抗がん剤の殺細胞率への影響をフローサイトメトリー法で確認してきたが、最終年度はさらに薬剤の種類を増やし、組み合わせも考慮して実験を重ねていく。 3)Migration assay;transwell systemを用い、下段のBMSC layerに上段の白血病細胞株が移行する割合を、標的分子の発現が異なる細胞株間で実施し、フローサイトメトリー法で解析する。
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