2017 Fiscal Year Research-status Report
小児骨髄異形成症候群(RAEB, RAEBT)の分子病態解析
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15K09653
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
嶋田 明 岡山大学, 大学病院, 准教授 (70391836)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | RAEBT / RAEB / AML / 遺伝子変異 / epigenetic変化 / メチル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで検討した例については、2018年度のアメリカ癌学会(AACR)にて、【Aberrant Methylation of Tumor Suppressor Genes in Pediatric Myelodysplastic Syndrome / Acute Myeloid Leukemia】という演題名で、以下の内容のポスター発表を行った。 RARB, RAEBTなどのadvanced MDSや小児急性骨髄性白血病(AML)において、遺伝子変異のみならず、がん抑制遺伝子(Tumor suppressor gene, TSG)のメチル化などのepigeneticな変化も重要である。対象はlow grade MDS 7例, advanced MDS 4例、AML 22例(男子10名, 女子12名, 年齢0-14歳、年齢中央値 6歳)。メチル化に関しては Methylation-Specific Multiplex Ligation-dependent Probe Amplification法を用いて、25個のTSGのpromotor領域法の解析を行った。遺伝子解析については白血病関連の163遺伝子をパネル化し、次世代シーケンサーで、target sequenceを行った。12/22(54.5%) 患者が少なくとも一つ以上のTSGのメチル化がみられた(メチル化TSG 各患者で0-5個)。20%以上の患者で CDKN2B, CADM1, CDH13 and ESR1などのメチル化がみられた。寛解期検体、low grade MDS検体ではメチル化はみられず、すべてのadvanced MDS検体では、1- 2個のメチル化がみられた。このためlow grade MDS, Advanced MDS, AMLと病気の進展に伴いTSGのメチル化が進行していくことが示唆された。同時に行った遺伝子解析ではGATA1, IKZF1, KRAS, KIT, FLT3, SH2B3, PIK3CD, PU.1, SMARC1, ALKなどの変異が認められたが、成人のAMLでみられるASXL1, TET2 and EZH2などのepigenetic modification遺伝子の変異は見られなかったため、成人AMLと小児AMLでは発症様式が異なる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
少数例ではあるが、target sequenceとメチル化解析の検討は終了し、2018年度のAACRでポスター発表した。日本小児白血病リンパ腫研究グループ(JPLSG)のRAEB/RAEBT検体については、遺伝子解析を開始する前の倫理審査は、学内の審査は通過しているが、日本小児白血病リンパ腫研究グループの研究倫理審査委員会で現在審議中であるが、2018年5月中には受理される予定である。研究代表者が多忙を極めるなどの理由で、本研究の遂行に時間を要しており、平成29年度内に完了できないため。1年間延長申請を行い、受理された。
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Strategy for Future Research Activity |
1年間延長申請を行い、受理されたので、今年度中に鋭意努力して、完了させる予定である。
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Causes of Carryover |
H29年度中に完了できなかった、JPSLGのRAEB/RAEBT検体についての検討を、JPLSGの倫理審査承認後、延長申請の認められたH30年度に実施する予定である。
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