2016 Fiscal Year Research-status Report
急性移植片対宿主病の病態解析及びその分子標的療法の開発
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15K09657
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
山本 雅樹 札幌医科大学, 医学部, 講師 (80404664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 司 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (20398324)
斉藤 淳人 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (40749420)
五十嵐 敬太 札幌医科大学, 医学部, 助教 (70580017)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 急性移植片対宿主病 / バイオマーカー / ケモカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
背景:ケモカインCCL8はヒトGVHD患者及びマウスGVHDモデルの血漿中で上昇していることが示され、GVHDのバイオマーカーとして期待されている。これまでの我々の研究で、MHCの異なるマウス間での骨髄移植ではCCL8が血中に高濃度で検出され、GVHDの病勢、死亡率と相関する事が明らかとなった。in vitro CCL8発現系では、MHCの異なるマウスの脾臓細胞を混合培養上清中にCCL8タンパクが高濃度に発現した。 実験方法:CCL8 ノックアウトマウスを用いた移植における、CCL8タンパクの発現、生存率などについて検討した。CCL8ノックアウトマウス(CCL8KO)を作製した。今回は、ドナーをC57BL/6_wild typeとし、レシピエントをBalb/c_CCL8KOマウスまたはBalb/c_wild typeとした群での比較を行った。 結果:ドナーレシピエントともwild typeの組合わせでは移植後早期から血漿中CCL8タンパクの発現がみられるが、レシピエントをCCL8KOマウスとすると移植後1週間を過ぎるまでCCL8の発現は見られず、生着後にドナー由来の細胞からCCL8が発現しているものと考えられた。生存率に関しては、早期にCCL8を発現しない、ドナーCCL8KO、レシピエントwild typeの組み合わせで有意に生存期間が延長した。移植後早期のCCL8発現は、GVHDにおいて早期死亡に関連するファクターであることが確認された。 今後はwild type Balb/cとwild type C57BL/6の脾臓細胞による白血球混合培養系でのin vitro RNAiによりCCL8のmRNA発現knockdownを試みる。CCL8 KOマウス細胞を用いた白血球混合培養と、CCL8 knock downしたものとを比較して、in vitro RNAiの効果を判定する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CCL8ノックアウトマウスを用いた研究に重点をおいたために、RNAiの実験が進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
RNAi実験を行う予定だが、wild type由来の細胞に加えて、CCL8ノックアウトマウスの細胞も使用できるため、当初の研究計画よりも多様な実験が可能と考えられる。
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Causes of Carryover |
CCL8ノックアウトマウスの実験に重点を置いたため、当該実験の進捗がやや遅れている
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
RNAi実験に要するマウス購入、試薬購入により次年度は研究費を今年度以上に必要とする予定である。
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Research Products
(1 results)