2017 Fiscal Year Annual Research Report
Basic research for "RSV pregnant women vaccine" by clinical isolates aimed at overcoming RSV infection
Project/Area Number |
15K09658
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
橋本 浩一 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (50322342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細矢 光亮 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (80192318)
錫谷 達夫 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40196895)
橋本 優子 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (60305357)
川崎 幸彦 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (00305369)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | RSV / ワクチン / 中和抗体価 / 臨床分離株 |
Outline of Annual Research Achievements |
血中のRSVに対する中和抗体価について初年度のマウスでの検討、2年度のヒトサンプルでの検討に引き続き、3年度は新たな遺伝子型(サブグループA、遺伝子型ON1)出現前後の血清を用い、ON1出現前後の成人血清を用い、中和抗体のサブグループ、遺伝子型への抗体誘導について検討した。大学倫理委員会承認のもとに実施し、ウイルス感染症の血清疫学研究のために小児科医師(ON1流行前 2010年;35人、後2016年;78人)から採取し、-80℃にて保管した保存血清を用い、サブグループAの遺伝子型NA1、NA2、ON1、サブグループBの遺伝子型B3を用い中和抗体価を測定した。 2010年の検体のNA1、NA2、ON1、B3への中和抗体価(幾何平均、倍)は、各々48.5、60.3、33.3、89.6、2016年では33.2、49.0、45.7、77.1であった。特にNA1とON1について統計的に有意な変化を認めた。先行論文においてRSV中和抗体価32倍以上ではRSV再感染による症状出現なしと報告があり抗体価の保有割合について検討した。32倍以上について2010年、2016年の検体(%)は、64倍以上でNA1に対しては57.1%から25.6%へ低下し、ON1に対しては28.6%から47.4%へ上昇した。いずれも統計的に優位な変化であった。さらに、中和抗体価の相関は各遺伝子型が異なっても同一のサブグループ内では強い相関、一方、異なるサブグループ間では弱い相関を示した。2010年、2016年の血清何れでも同様であった。 3年間の研究により、RSVワクチン作成時にはサブグループA、Bともに中和抗体を導き、遺伝子型の変化にも対応可能なエピトープの選択が重要であることを示唆された。
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