2016 Fiscal Year Research-status Report
神経芽細胞腫増殖におけるアンチザイム2とMYCNの相互作用の解析
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15K09666
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
村井 法之 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60300927)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 神経芽細胞腫 / MYCN / アンチザイム / プロテアソーム / ユビキチン依存的分解 / がんの増殖 / がんの悪性度 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度末から今年度にかけてAZ2ノックアウト細胞樹立のため3種のガイドRNAを作製した。これらのガイドRNAとCAS9酵素を2種の神経芽細胞腫株(Kelly、SH-SY5Y 細胞)にトランスフェクションした。3種のガイドRNAの内、ゲノム切断効率(おおよその効率を推測できる)は10~20%程度と良くなかったが、その中で最も良いガイドRNAを導入した細胞株からシングルセルクローニングを行い~40の細胞を取得した。それらのクローンからゲノムDNAを精製し編集領域の塩基配列を解析し編集の有無をチェックしたが、ゲノム編集は起こっていなかった。ガイドRNAを再度設計する必要があるかもしれない。 新たな神経芽細胞腫株BE(2)-C細胞を購入しAZ2のノックダウンがMYCN安定性にどのような影響を及ぼすか解析した。AZ1, AZ2、コントロールのsiRNAを導入した細胞の内AZ2のノックダウンによりMYCNが最も安定化された。またAZ1のノックダウンにおいてもある程度MYCNの安定化がみられた。アンチザイムのMYCNに対する役割を明らかにするための解析として、足場非依存性のコロニー形成解析を行った。基底の寒天培地の上に神経芽細胞腫株を一定細胞数含ませた軟寒天培地を重層し、37℃、5%CO2条件下で8日間培養しコロニーの形成をコントロールと比較した。このとき使用した細胞は培養48時間前にsiRNAによりAZ1、AZ2をノックダウンした細胞を用いた。興味深いことに、AZ2をノックダウンした細胞はコロニー形成がコントロールの2倍となった。一方AZ1のノックダウンは逆に1/2程度に減少した。このことからAZ2は神経芽細胞腫の悪性度と関連している可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ゲノム編集を試みたが現在のところAZ2ノックアウト細胞は樹立されていない。この問題点はガイドRNAの効率があまりよくないこと、トランスフェクションの効率の問題が考えられる。またガイドRNAの数を増やすとそれだけ解析に時間がかかり解析しきれない状態となっていることがあげられる。
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Strategy for Future Research Activity |
ゲノム編集を試みたが現在のところAZ2ノックアウト細胞は樹立されていない。今後は細胞株を絞ることと編集効率の良いガイドRNAの選択し進めていく予定である。ノックアウト細胞は樹立できていないが、siRNAによる解析では興味深い結果も出てきている。ゲノム編集の遅れもあり全体としては遅れているが今年度内に論文発表できるようなスピードで進めていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
次年度使用額は発生しているが、7万円程度でほぼ計画通りに使用できたと考えている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
約7万円は、ゲノム編集のガイドRNA作製やトランスフェクション試薬に使用予定である。
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Research Products
(1 results)