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2015 Fiscal Year Research-status Report

DNA損傷修復因子を用いた小児がん治療関連合併症のバイオマーカー確立と診断応用

Research Project

Project/Area Number 15K09678
Research InstitutionNational Hospital Organization Nagoya Medical Center

Principal Investigator

服部 浩佳  独立行政法人国立病院機構(名古屋医療センター臨床研究センター), その他部局等, その他 (20624513)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 堀部 敬三  独立行政法人国立病院機構(名古屋医療センター臨床研究センター), その他部局等, その他 (30209308)
Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
KeywordsDNA損傷 / gammaH2aX
Outline of Annual Research Achievements

DNA損傷修復能を評価することにより小児がんにおける治療関連合併症の早期診断を行うために、末梢血リンパ球におけるgammaH2aXの検出系の確立を第一の目標とした。まず、細胞株を用いて放射線照射および抗がん剤(エトポシド、ドキソルビシン)でgammaH2AXを誘導して、蛍光免疫染色とフローサイトメトリーの系を確立した。次いで健常成人、末梢血リンパ球に対し、抗がん剤暴露を行い、gammaH2AXを誘導した上で蛍光免疫染色とフローサイトメトリーで検出を試みた。当初は全血のままgammaH2AXの検出を試みたが、アーチファクトが大きく、解析に耐えられるだけのLinearityが得られないと判断し、単核球分離してから解析するプロトコールに変更した。臨床試料のサンプリングスケジュールを想定し、常温で数時間から10時間程度室温に放置した末梢血から単核球を単離してからgammaH2AXの検出を行う解析系の樹立を試みた。しかし採血されてから常温で数時間経過してからのサンプルでは蛍光強度が不足し、そのためLinearityが不足することが判明した。従ってgammaH2AXに関しては細胞株を中心として、臨床応用する上での基礎的な意義を解析中である。
RAD51の解析系については臨床検体での応用は困難と考えられたため、一時保留としgammaH2AXの検出系の確立に集中することとした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

gammaH2AXの検出系の樹立が予定よりも遅れている。対象が小児患者であるため、採血量を減らし侵襲を小さくする目的で、臨床検査に使用された残余検体を用いた解析系を樹立する予定であった。当院のシステム上、臨床検体は常温で数時間は経過するため、同様の状況をシュミレートした。しかしヒト血液サンプルを常温にて数時間~10時間経過することでgammaH2AXの染色が安定しないことが分かった。また染色の感度を上げる目的で単核球分離を試行したが、常温にて経過した検体は劣化が生じていると考えられ、単核球分離の精度が低下し、gammaH2AXの染色の感度も低下することが分かった。
従ってgammaH2AXの解析系樹立の際に判明した臨床検体特有の問題を解決してから、実際の解析系の樹立に着手する必要があるため、RAD51の解析系の樹立も遅れざるを得なくなった。

Strategy for Future Research Activity

本研究では小児がん治療関連合併症のバイオマーカーを樹立することを当初の目的としていたが、その最終的な目的は小児がんの治療成績の向上につなげることにある。従って、もし治療関連合併症のバイオマーカーの樹立が困難である場合には、合併症だけでなく、治療効果そのものに関連するバイオマーカーの発見・樹立も視野に入れて研究を推進していきたいと考えている。具体的には、小児固形腫瘍の腫瘍検体を用いてTarget Sequence等の次世代ゲノム技術を応用し、小児がん患者の合併症や予後に関与するバイオマーカーの検出を目的とした研究である。このためには小児がんの腫瘍組織の臨床検体が必要になる。現在、当院および共同研究期間の臨床研究審査委員会および倫理審査委員会に臨床腫瘍検体のゲノム解析を行うための研究計画を申請し、準備を進めている。

Causes of Carryover

gammaH2AXの解析系の確立に労力を費やしたために、RAD51の解析系の樹立に着手できなかったことで、抗体を含めた検出系に使用する試薬の購入を行わなかったことが挙げられる。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度は合併症のみならず治療効果にも関連したバイオマーカーの樹立を目指して解析の方向性を一部修正する予定である。そのためゲノム解析等の試薬および解析に関わる経費、臨床検体からのゲノムDNA抽出のための試薬、ゲノム解析のための試薬が必要となるため、これらに対する必要経費を次年度使用額として活用する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2015

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] Dynamic modulation of thymidylate synthase gene expression and fluorouracil sensitivity in human colorectal cancer cells.2015

    • Author(s)
      Wakasa K, Kawabata R, Nakao S, Hattori H, Taguchi K, Uchida J, Yamanaka T, Maehara Y, Fukushima M, Oda S.
    • Journal Title

      PLoS One

      Volume: 10 Pages: e0123076

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0123076.

    • Peer Reviewed / Open Access

URL: 

Published: 2017-01-06  

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