2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K09681
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平田 陽一郎 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40447397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
犬塚 亮 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (00597560)
東邦 康智 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10586481) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 川崎病 / 血管炎 / TLR / HMGB1 / NLRP3 |
Outline of Annual Research Achievements |
川崎病モデルマウスを用いて、川崎病血管炎における自然免疫系、とくにTLR(Toll様受容体: Toll like receptors)の果たす役割を検討する目的で研究を開始した。当初の予定通り、野生型マウスに対してCAWS(Candida albicans water soluble fraction)を投与することにより、血管炎モデルを惹起することに成功した。このモデルを用いて、TLR2, TLR4, TLR9欠損マウスに対して同様のCAWS投与を行った結果、血管炎を惹起することは可能であったが、その程度は野生型マウスと同程度であった。そのため、本モデルにおけるTLRの果たす役割は小さいことも想定された。現在、同様のマウスを用いて再度検討を繰り返している段階である。また、異なる自然免疫系として、NLR系の一つであるNLRP3 inflammasomeの関与が血管炎症に影響していることも明らかになりつつあるため、NLR3欠損マウスを入手して、その関与を検討し始めているところである。今後は、さらに多くの受容体に対して同様の検討を行い、川崎病モデルマウスにおける血管炎のメカニズムをin vivoにて検討を続けていく予定である。また本研究の前年度まで科研費(若手B)において検討を続けてきたHMGB1欠損マウスにおける血清サイトカインデータなどをさらに詳細に検討することにより、さらなる手掛かりがつかめないかを探索していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定通り、各種TLR欠損マウスを用いた実験を行うことができた。しかし予想された結果を得ることができなかったため、再度同様の系を用い、CAWSの投与量や投与間隔などを様々に変更しながら追試を行っている最中である。またこれまでに得られた研究結果を再度詳細に見直すことにより、川崎病血管炎における受容体について、新たな方向性を探っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、各種TLR欠損マウスを用いた実験の再検を行う。その結果によってもTLR系の関与が薄いと判断された場合には、NLRなどそのほかの自然免疫系の関与を疑って、同様のin vivo実験を行うことを検討する。これらのいくつかの実験によって川崎病血管炎に関与する自然免疫系受容体の候補が明らかとなった場合には、当初の研究計画に基づいて、それらについての詳細なin vitro実験を行っていく予定である。もし明らかな候補が見つからなかった場合には、共同研究者である東京薬科大学免疫学教室の大野尚人や東京大学小児科の犬塚亮とともに実験計画の再検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
これまでの記載したごとく、当初の予定とは異なって、各種TLR欠損マウスにおける血管炎の程度が野生型と有意差が出なかったため、当初の実験計画とは変更を余儀なくされたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度以降に再検を行うなどして、引き続き研究を実施する予定である。動物実験やin vitroの計画に大きな変更はない。
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