2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K09682
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
三浦 健一郎 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (70408483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張田 豊 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (10451866)
関根 孝司 東邦大学, 医学部, 教授 (50255402)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 遺伝性尿細管疾患 / Dent病 / Lowe症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
Dent病、Lowe症候群の遺伝子解析:臨床的にDent病疑いと診断された患者11家系(家族を含めて24人)を対象に直接DNAシークエンス法でCLCN5、OCRL遺伝子を解析した。6家系でCLCN5遺伝子に変異を認め(ミスセンス変異3、ナンセンス変異1、フレームシフト変異1、全欠失1)、1家系でOCRL遺伝子に変異を認めた(フレームシフト変異)。4家系では両者の遺伝子に変異を認めなかった。既報ではDent病ではCLCN5異常を60%に、OCRL異常を15%に認めるとされるが、本研究でも同様の結果であった。本研究の対象患者にはDent病として頻度の低い症候(若年での腎機能障害、骨病変)を呈する者も含まれており、1名女性患者も含まれていたが、遺伝子変異の検出率は既報とほぼ同等であった。臨床的にLowe症候群と診断された患者6家系(家族を含めて10人)を対象にサンガー法でOCRL遺伝子を解析した。結果、全家系に変異を認め、フレームシフト変異4、ミスセンス変異2であった。また、Dent病とLowe症候群の中間的な症候を呈する(白内障を認めるが精神発達遅滞が軽度)3家系も解析し、OCRL遺伝子に変異を認めた(ミスセンス変異3)。以上から、非典型的な症候を呈する患者を含んだ解析においても、既報と同等の検出率でCLCN5/OCRL異常を同定した。また、OCRL異常を有するDent病とLowe症候群は臨床症候として一つのスペクトラムを呈することを確認した。 遠位尿細管性アシドーシスの臨床像の解析:すでに行った全国調査をもとに検体を収集し、遺伝子解析の準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Dent病、Lowe症候群に関しては遺伝子解析が進んでいる。今後、別プロジェクトとしての全国調査の情報も加味して臨床像との関連を解析する予定である。遠位尿細管性アシドーシスについても遺伝子解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
別プロジェクトとして「尿細管性蛋白尿を呈する遺伝性尿細管疾患の全国調査」を実施中であり、その結果も合わせてさらにDent病/Lowe症候群の遺伝子解析を進め、臨床像との関連性を解析していく。遠位尿細管性アシドーシスについても遺伝子解析を進め、臨床像との関連性を解析する。
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Causes of Carryover |
当初計画に従ってほぼ研究費を使い切った。次年度も研究を継続するため、厳密に使い切ることは不要であり、次年度への繰り越しとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の物品費(遺伝子解析のための試薬)の一部に供する。
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Research Products
(8 results)