2016 Fiscal Year Research-status Report
Nod1リガンド誘発冠動脈炎の発症機序に関する検討
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15K09692
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田中 珠美 九州大学, 医学研究院, 学術研究員 (60423547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 壽乘 九州大学, 大学病院, 助教 (00507783)
神野 俊介 九州大学, 大学病院, 助教 (60725919)
本村 良知 九州大学, 大学病院, 助教 (10737175)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 川崎病 / 血管炎 / 自然免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
川崎病類似Nod1リガンド誘発モデルを用いて、川崎病の発症メカニズムの解析を行っている。 前年度ではキメラマウスを作成し解析を行ったところ、Nod1リガンドの作用点は血球ではなく、血管内皮であることを明らかにした。さらに、血球がどういう役割を果たしているかについて検討を行ったところ、ある血球が重要な役割を果たしていることが明らかとなった。 本年度では、心臓浸潤細胞のフローサイト、その血球の電顕などによる検討を行ったところ、その血球がCD11c+マクロファージであることが明らかとなった。それを単球・マクロファージを特異的に消去するクロドロン酸内包リポソームで除去したところ、冠動脈炎発症は著明に軽減した。さらに、百日咳毒素を用いたケモカイン抑制実験により、ケモカイン抑制により冠動脈炎の発症が抑制することも明らかとなった。以上のことから、冠動脈内皮細胞にNod1リガンドが作用し、冠動脈炎内皮細胞から様々なサイトカイン・ケモカインが放出され、それによりCD11c+マクロファージが遊走し、冠動脈に集簇することで、冠動脈炎が発症することが考えられた。 川崎病ではマクロファージや好中球など様々な作用点が指摘されていたが、その主体は未だ明らかとされていなかった。本研究によりマクロファージが中心である可能性が示唆された。今後は好中球などの他の血球を抑制することにより、そのCD11c+マクロファージが発症機序に重要であることを明らかにしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
発症機序について順調に計画通り解明が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
マクロファージだけでなく好中球などを抑制することにより、冠動脈炎が発症するかについて検討を行い、発症機序を解明していく。
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Causes of Carryover |
特に動物実験が順調に進み、再実験が少なくすんだため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
様々な血球抑制のための実験に使用する予定。
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Research Products
(2 results)