2017 Fiscal Year Research-status Report
川崎病におけるバイオマーカー開発と難治例の新しい治療戦略
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15K09697
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| Research Institution | Jichi Medical University |
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Principal Investigator |
南 孝臣 自治医科大学, 医学部, 准教授 (60423951)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 智幸 自治医科大学, 医学部, 講師 (20567995)
森本 哲 自治医科大学, 医学部, 教授 (30326227)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 川崎病 / シクロスポリン / 免疫グロブリン |
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| Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは、これまでに川崎病の難治例（免疫グロプリン大量静注療法（IVIG）不応例）において、血小板活性化因子（PAF）の活性化が関与している可能性を報告した。PAFの炎症反応経路上に存在する転写因子NF-AT（活性化T細胞核内因子）のリン酸化により、インターロイキン2（IL-2）が誘導され、T細胞やマクロファージが活性化されることが知られている。
そこで、申請者らは、PAF活性化経路を抑制する目的で、NF-ATを阻害するシクロスポリン（CsA）3mg/kg/dayの持続静注を川崎病患者で、IVIG 2g/kgを2回以上投与されたIVIG不応例50例（男33例、女17例）に対して施行した。その結果、50例全てで解熱が得られ（解熱までの期間は24時間以内-7日）、うち37例（72％）が24時間以内と短期間で解熱した。解熱時のCsA血中濃度は220-570ng/mL (中央値373ng/mL)であった。川崎病の最も重要な後遺症である冠動脈瘤は、冠動脈拡大前にCsA療法を開始した49例に冠動脈瘤はなく、第10病日の入院時に既に拡大を認めた症例における右冠動脈中等瘤1例のみと非常に良好な成績が得られた。また、対応を要する高血圧や高K血症などの副作用はなかった。
CsA療法前と静注3－5日後で比較したところ、可溶性IL-2レセプター: 2587から1638 U/mL, p < 0.01と有意に低下していた。合わせて、CRPも13.1 から4.4 mg/dLと有意に低下した。白血球数は、16750から14048/μLと有意差はなかったが、リンパ球は3021から4720/μL, p < 0.01と有意に増加していた。
結論として、CsA静注療法は、NF-AT抑制によりPAFの炎症反応経路を抑制する。その効果の出現は速やかで、IVIG不応例に対する有効な治療法となると考えられた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究要旨については、2016年の第36回日本川崎病学会で発表した。また、2017年7月の第7回、World congress
of pediatric cardiology & cardiac surgery 学会 (バルセロナ）で発表した。この間、IgA欠損症の児にシクロスポリン静注療法が有効であったことを報告した（Anzai T, Minami T,et al. Turk J Pediatr. 2016;58(6):666-668.)。また、血清中の可溶性インターロイキン２レセプターが川崎病の治療効果判定に有効であるとの論文も報告した（Teraura H, Kotani K, Minami T, et al. Ann Clin Biochem. 2017;54(2):209-213.） しかし、データの収集および集計に想定以上の時間を要したため、川崎病の免疫グロブリン不応例に対するシクロスポリン静注療法のまとめについては、論文の作成はほぼ完了しているが、まだ掲載に至っていない。引き続き、論文の掲載を目指す予定である。
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| Strategy for Future Research Activity |
今回の研究で、川崎病の免疫グロブリン療法 (IVIG) 不応例に対するシクロスポリン静注療法の有効性は確認された。しかし、今回はあくまでIVIG 2g/kgを2回投与した不応例に対する検討であり、リスクスコアを用いたIVIG 2g/kg 1回目や2回目からの併用療法についての検討、さらには、川崎病血管炎における血清中のHDLコレステロールなどの脂質との関連や心臓足首血管指数（CAVI）についても検討していく予定である。
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| Causes of Carryover |
データの収集および集計に想定以上の時間を要した。研究要旨は、2017年7月の第7回、World congress
of pediatric cardiology & cardiac surgery 学会 (バルセロナ）で発表した。全体のまとめの部分については、現在、論文の作成はほぼ完了しているが、掲載には至っていない。引き続き、英文校正、論文投稿が必要である。そのため、補助事業期間の延長を申請いたしました。
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[Presentation] Kawasaki disease: Its manifestation after simultaneous immunization with measles-rubella, varicella, and pneumococcal vaccine, suggesting its possible association with measles vaccination.2017
Author(s)
Matsubara D, Minami T, Oka K, Suzuki S, Furui S, Anzai T, Kataoka K, Sato T, Yamagata T
Organizer
The 7th World congress of Pediatric Sardiology and Cardiac Surgery. July 16 - 21, Barcelona, Spain
Int'l Joint Research
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